【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑382】中国で〝手の生えた蛇〟発見!「絶対にペニスじゃない」

2020年10月09日 12時00分

東スポ1面が報じた謎の蛇

 東スポといえば紙面を飾るオカルト記事。中には「カッパ」や「ツチノコ」などのUMAネタが1面を飾ることも少なくない。そんな東スポが過去に取り上げた数々のUMA記事を紹介しているツイッターアカウントも存在する。その名も「東スポUMAデスク」。見たことのある人には懐かしい、初めて見て気になる人は画像で紙面を見ることができてうれしい、というアカウントである。

 さて、そんな東スポUMAデスクが10月5日に公開した画像が、2009年9月22日付の東スポの1面を飾った「蛇から手が生えた」というUMA(?)の画像である。

 問題の写真は同年9月に中国四川省遂寧市で発見されたもので、ある家の女性が午前1時ごろに家の中に入り込んでいた大きな蛇を発見。たたき落として大きな瓶に詰めたそうだが、その後、体から大きな腕が生えていることに気づいたのだという。なお、紙面で見ているためかなり大きな蛇のように感じるが、体長は約40センチほど、「腕」も成人の小指ほどの太さと大きさであったという。「胴体からニョキニョキVサイン」「絶対にペニスじゃない」などの東スポお得意の文面が躍るオカルト絶好調な紙面だ。

 なお、東スポでは日本蛇族学術研究所に鑑定を依頼し、「ナミヘビ科で、腕らしき部分の付け根がこぶのようになっていることから、蛇のペニスなどではないと言える。しかしヒジに当たる部分がなく、体のもう片方から腕が生えているようには見えない。奇形にしてもこのタイプの奇形は初めて」ときわめて専門的な意見を掲載している。そこから当時の紙面では「新たな蛇型UMAかもしれない」と締めくくっていた。

 さて、現実で起きた事例を確認してみると、足のような奇妙な突起物を備えた状態で生まれてきてしまった蛇の事例は世界各地で報告されている。

 一部の蛇には総排せつ腔(排せつおよび生殖のために機能する器官)の周辺にかつて足が存在した痕跡が残っており、蛇の遺伝子の中には手足の生成に必要なDNAが全て含まれてもいる。つまり条件次第では実際に手足が発生する可能性は十分にあり得るのだ。

 蛇の祖先をさかのぼっていくと、広大な氾濫原で穴を掘るトカゲから進化していったとみられている。トカゲから蛇に分かれた時期としては、化石からジュラ紀中期ごろ(約1億6700万年~1億4300万年前)という説が一般的である。しかし、それでも長い年月の間でなかなか「足」を捨てることはできなかったようで、約1億年前に現在のアルゼンチンに生息していたナジャシュ・リオネグリナという古代の蛇には後ろ足が存在しており、ちゃんと歩行も可能であったことが示唆されている。

 つまり、中国で発見された「足の生えた蛇」も何らかの理由で先祖返りしてしまった個体の可能性が高いのだ。

 ちなみにこの蛇は、後に南昌大学の科学研究部に送られて分析を受けることになったようだが、結果は公表されていない。もしかしたら専門的な論文が存在するのかもしれないが、続報を聞きたかったものである。

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