いよいよ泥沼にはまってきた。阪神は30日の広島戦(マツダ)に3―8で敗れ、1995年以来、球団ワースト・タイの開幕5連敗となった。

 投打ともに勝負所で精彩を欠いた。この日は5回にロハス・ジュニア(31)の先制弾で1点を先制も、先発・伊藤将司(25)が6回二死一塁から、踏ん張りきれなかった。4番・マクブルームに左前打を許し、一、二塁とされた後、続く坂倉の強烈な一塁へのゴロをマルテが弾き、ボールが二塁方向へ転がる間に二走が生還し同点(記録は一塁強襲安打)。さらに一、二塁からは続く会沢の右前適時打で1―2と逆転されると、続く末包の遊ゴロを遊撃・中野がトンネルの適時失策と、ミスも絡んでこの回3失点。一気に試合の主導権を奪われると、流れに飲みこまれるように7回、8回と失点を重ねた。

 5回までは2安打無失点と好投していた伊藤将も7回途中で9安打6失点(自責5)と最後は力突きる形で、今季初先発を白星で飾れず。この日、チームは2失策も、記録に残らない拙守も相次ぎ、ことごとく失点にも絡んだ。試合後の矢野燿大監督(53)もさすがに表情は硬かった。それでも「やれることは大きく変えられることはできないので。でも気持ちの部分で大きく変えるというのは、一人ひとりの思いでできると思うし、みんな苦しいのは苦しい。1人が絶対に変えてやるという気持ちがあれば、みんな伝わって大きな力に変えられると思う」と気丈に話し、ナインの奮起を促していた。