巨人の坂本勇人内野手(33)が15日に、東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉に臨み、5年契約のうち、来季で年俸変動制となる4年目を迎えるに際し、1億増の6億円でサインした。

 今季は117試合に出場し115安打、19本塁打、46打点、打率2割7分1厘。5月には塁上でけん制による帰塁をした際に右手母指末節骨を骨折し戦線離脱するなどケガに見舞われた時期もあった。それでも苦難を乗り越え、夏の東京五輪では野球日本代表に選出され、1次リーグから準決勝までの全試合で打点をたたき出し、金メダル獲得に大きく貢献した。

 収穫と課題が入り混じった1年となったようだ。侍の一員としての大役を果たした東京五輪については「五輪は野球人生の中でも特別な、金メダルを獲れたことに少しでも力になれたのはあったので、それは本当に(プロ野球を)15年間やってますけど、すごく心に残る出来事でした」と振り返った。しかしながら今季3位に沈んだチームと自身の成績に関しては「もっとやれたなという感覚ももちろんありますし、悪いなりに最低限の結果だったなというのは感じてますし。良くはなかったですよ」と率直な心境を吐露。来季の巻き返しを誓った。

 前日14日に33歳の誕生日を迎えた。不動の遊撃手としてチームを引っ張ってきたが、自身の年齢との闘いも年々増していく。「やっぱスピードを落としたくないなと。トレーニング方法も意識的にやっていかないと年齢的にも33、34歳になってくる。そこは意識して去年くらいから変えてる。今年は特にやっていこうと思います」。

 ここまで大きなケガもなく正遊撃手の座を守り抜いてきた背景には、日々の体のケアを怠らなかった鍛錬と努力がある。「シーズンに入ったらエクササイズとか繰り返すこと。地道なことを、途中で『(やめても)いいかな』と思う時はあるが、妥協してこなかったっていうのは(大きい)。お酒も好きで飲むが、そういうエクササイズっていう部分は妥協せずにやってきているので、そこだけじゃないですか」と述べた。

 坂本の活躍なくして、リーグ優勝、悲願の日本一達成は成し得ない。「自分の成績アップ、そこですね。それがチームに対してもプラスになると思うので、自分の成績上げることを考えたい。みんなに支えてもらいながらチームを引っ張っていきたいと思います」。頼れる男が、来季も若手に負けずチームを引っ張りぬく覚悟を見せた。(金額は推定)