阪神・藤浪晋太郎投手(27)が8日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1100万円減の年俸4900万円でサインした。

 今季は自身初の開幕投手を務めるも、結果を残すことができずシーズン途中から中継ぎに配置転換。3勝3敗、防御率5・21の成績に終わった。高卒でプロ入りし3年連続で2桁勝利を挙げた右腕も、これで6年連続の減俸。来季、節目のプロ10年目となるシーズンを迎える背番号19は「先発、中継ぎとやらせて頂いて、どっちつかずというかハッキリした数字を残せなかったのでいいシーズンとは言い難い」とこの1年を振り返った。

 先発か、中継ぎか。藤浪の起用法をめぐっては昨季から様々な議論が繰り返されてきたが、藤浪本人は「自分としては先発をやりたい」と明言する。「まずは先発ローテーションに入れるように。『藤浪を先発で使いたいな』と思ってもらえるようにすることも大事。僕の強みはタフネス。ケガをしないことだと思うので、そういうところでもチームに貢献したい」。

 最多勝となる13勝を挙げた青柳を筆頭に、秋山、伊藤将、ガンケル、西勇、高橋と阪神の先発ローテ陣には、強力な駒がすでに揃う。来季から先発転向を目指す及川、昨季のドラ1右腕・西純も虎視眈々と先発の座を狙っているだけに、藤浪にとっても厳しい競争になることは必至だ。

 もちろん本人もそれは自覚している。「先発陣は現状、駒が揃っているので厳しいのは分かっている。完全に自分のエゴになるんですが、そのエゴを通せないなら結局中継ぎになっても中途半端な数字しか残せない」。会見中何度も「エゴ」という言葉を使い、先発へのこだわりを強調した。