米大リーグ機構(MLB)公式サイトは21日(日本時間22日)までに記者や解説者など専門家による今季のMVPの最新投票結果を発表した。投票は1~3位を選ぶ形式で、ア・リーグではエンゼルスの大谷翔平投手(27)が56人から1位票を得てトップだった。

 前回8月18日(同19日)発表では90%の1位票を得たが、今回は78・9%にダウンした。2位はブルージェイズのウラジーミル・ゲレロ内野手(22)で1位票は15人だった。3位に41本塁打のブルージェイズのマーカース・セミエン内野手(31)が3位に入った。

 大谷は20日(同21日)時点で9月は2本塁打とスランプ状態。一方のゲレロ7本塁打と量産し、本塁打王争いで逆転を許した。同サイトは「彼のインパクトを過大評価しているのではない。ベーブ・ルースを含め、彼はア・リーグとナ・リーグの歴史において誰も見たことないことをやっている」と激賞した。

 同サイトは21日に掲載した別記事で「ゲレロはア・リーグのMVPレースで大谷と争っている。彼にとって有利になることは、それは3冠王の獲得だ」と指摘している。果たして可能性はあるのか。ゲレロは20日時点で、打率がア・リーグ1位(3割2分)、本塁打が同1位タイ(本)、打点はトップと10点差の同4位タイ(105)だ。

 メジャーで〝最後〟の3冠王は2012年のタイガースのミゲル・カブレラ内野手(38)。同サイトはゲレロは1956年のミッキー・マントル以来、65年ぶりに両リーグで3部門の1位になるチャンスがあると期待している。

 3冠王は打点が公式記録となった1920年以降、12回(10人)達成され、そのうち両リーグで3部門トップは4回(4人)。ナ・リーグでゲレロを上回っているのは、107打点のブレーブスのアダム・デュバル外野手(33)だけだが、ア・リーグの打点トップに立つのは厳しそうだ。

 もっとも、同サイトが17日(同18日)に掲載した記者やアナリストの激論では「ゲレロが3冠王を取っても大谷が100%MVP」「ここ数週間で変わったのは大谷が『満場一致で勝つ』から『余裕で勝つ』くらい」と大谷で決まりの結論はそのままだった。

 3冠王に輝くことはできなくても今季のゲレロの成績は特筆もの。ナ・リーグだったら、ぶっちぎりで選ばれただろう。二刀流で全米の野球ファンを熱狂させている大谷では相手が悪かったというしかない。