中南米を中心に目撃される未確認生物で、近年も大人気の「チュパカブラ」は、ヤギなどの家畜を襲うことで有名な吸血UMAだ。
その容姿はサルのようなコウモリのようなイヌのようなカンガルーのような特徴を持っていて、UFOの目撃談とも親和性が高く、エイリアン説も出ている。
最初の目撃談は1995年にカリブ海に浮かぶプエルトリコだった。以後、目撃談はそれぞれに特徴や状況が違い、現在の主流はイヌに近い四足歩行の姿である。チュパカブラという言葉は「ヤギの血を吸う者」という意味で、その定義は広がっているのかもしれない。
2004年には米国・テキサス州にあるエルメンドルフでチュパカブラに似た生物が目撃され、射殺された。
奇妙な生物を撃ち殺したのは同地で牧場を経営するデヴィン・マキャナリー氏。ちょうど、その時期にニワトリなどの家畜が襲われていて「警戒していた」と語っている。
その生物は毛が生えておらず、青黒い肌をしていた。重さは20ポンド(約9キログラム)ほど。マキャナリー氏はすぐにチュパカブラのことが頭をよぎったという。15年間、牧場を経営してきた中でも初めて見る生物で、見つけた時には木の下で何かの実を食べていたところだった。
この生物は「エルメンドルフ・ビースト」と呼ばれるようになり、近くのサンアントニオ動物園に勤務する動物の専門家たちですら、すぐには特定できなかった。
彼らの調査によって頭蓋骨からメキシコに生息する毛のないイヌ=「メキシカン・ヘアレス・ドッグ」ではないかと、いったん決着はついた。この結論は正解ではなかったが、イヌ科の動物らしいという大きなヒントを得たのだ。
ちなみにジャパンケンネルクラブによるとメキシカン・ヘアレス・ドッグは2011年から「ショロイツクインツレ」と犬種名を変更し、親しまれている。
エルメンドルフ・ビーストはカリフォルニア大学で行われた分析によって、先天性で体毛がない生物ではなく、膵炎にかかったコヨーテであるとされた。
テキサス州で同じような動物の死体が2例発見され、こちらは重い疥癬(かいせん=ヒゼンダニの寄生による皮膚感染症)を患っているコヨーテだと判明したのだ。これによって近年のチュパカブラもコヨーテの誤認説が主流となっていく。
コヨーテの疥癬は重度になりやすい。疥癬の原因であるヒゼンダニに寄生されると、コヨーテは体毛が抜け落ちるだけでなく皮膚も分厚くなり悪臭を放つようになる。
また、体も弱るために野生の動物を捕まえるよりも家畜の方が襲いやすくなる。外見だけでなくチュパカブラの生態とも符合する結論となった。
チュパカブラという未確認生物はまだ解明されてはいないが、あまりに多い目撃例の中には科学的に説明がつくものもある。
人間の先入観によって作り上げられた未確認生物像もある一方で、判明していない未確認生物も存在する。真実を知ることで未確認生物のロマンスは、よりクッキリと浮かび上がるのだ。












