「マカラ」はインド神話に登場する想像上の動物の一種だ。象の頭を持つ魚として一般的に知られているが、大きな魚であったり、イルカのようであったり、ワニのような生き物であったり、水辺に生息していそうな容姿をしている。

 このマカラは古代インドの最高神のひとり、水をつかさどるヴァルナの乗り物でもある。また、ガンジス川の女神であるガンガーもマカラを乗り物にしている。他にも愛の神カーマはマカラを旗印にしている。

 マカラはインドや東南アジアで建築物の装飾として頻繁に見られるが、これは魔よけとしてデザインされているようである。中国に渡った際には「摩伽羅魚」「摩竭魚(まかつぎょ)」と漢訳されるようになった。

 起源ははっきりしていないが、古代ギリシャの占星術で山羊座・カプリコーンのことを漢字で「磨羯宮(まかつきゅう)」と書く。カプリコーンは上半身がヤギで下半身が魚の幻獣である。古代ギリシャと古代インドの占星術が相互に影響し合っていたことを想像させる。

 ところでこのマカラ、未確認生物と言うよりは神話に出てくる幻獣のたぐいと言った方がいいかもしれないが、近年になってもインド沖で目撃情報がある。残念ながら写真や動画で撮影されてはいないのだが、たびたび目撃されているようである。

 しかし、マカラの容姿は前述の通り「頭が象」の魚として広く知られている。たとえば、遠巻きに見て、地上の動物が海に入っていたとして、その体まで目視できるだろうか?

 実際のところ、沖まで流された象を見間違えたという説が濃厚である。海面から頭部を出した象を見たら、信仰深い人であればマカラが実在したと考えてしまう可能性はある。実際に象が流されて沖まで到達してしまう事案は起きている。

 1920年代、南アフリカ沖では象のような鼻を持った巨大な海洋生物が目撃され、その死体が浜辺に漂着した。死体は放置され、次第にまた流されてしまった。

 この生物は「トランコ」と名付けられ、今でも未知の生物として物議を醸している。実はトランコとマカラがなんらかの関連があり、古代から生き続けている哺乳類の一種だった可能性はないだろうか。

 トランコの再出現がマカラの存在を確定するかもしれない。