生物には「交雑」「異種交配」と言われるものがある。異なる種の生物を交配させて新たな雑種を作るということだ。有名なところではヒョウの父親とライオンの母親を組み合わせたレオポンがいる。馬とロバの組み合わせはラバ、ロバとシマウマの組み合わせではゾンキーという。植物では、実はトマトで土の中にはジャガイモができるポマトなどもある。
食用などに人為的に交配させたものだけでなく、自然界でも交雑するものもあるのだ。
これは爬虫類マニアの間では常識の話だが、野生種のヘビを鑑定するとき「このヘビは○○と××がかかっているな」との会話がよくなされる。つまり、ヘビは純正種並みに交雑種が確認されることが多いという事実がわかる。
そんな中で噂されているのが、沖縄本島の某外来生物飼育施設の周囲で、タイコブラが野生化し、実際に複数個体(平成5〜6年に合計7匹)捕獲されていることだ。タイコブラは中国南部、東南アジア、インド東部を中心に生息しているため、おそらく沖縄には帰化生物として繁殖しているものと思われる。
タイコブラそのものは攻撃的で神経毒を持っているが、その毒はあまり強くなく、日本にも血清はある。だが、このタイコブラが沖縄の在来種であるハブと交雑したらどうなるのか。ハブの強い毒とタイコブラの強い攻撃性を兼ね備えた「ハブラ」が生まれる可能性があると考えられている。
「ハブは毒の注入量が多く、深刻な症状を引き起こす」と言われている。強烈な痛みを与えるだけでなく、嘔吐、血圧低下、意識障害などの症状が見られ、運動障害を残す場合もある。また、一度かまれた人はアナフィラキシーショックによって重篤な症状になることもあるのだ。
ここまで書いているとまるで怪獣映画の設定みたいな話だが、現実にヘビの交雑種は簡単にできてしまう。
また、沖縄本島で捕獲されたタイコブラで確認された寄生蠕虫(ぜんちゅう)についての学術的な報告書もあがっている。しかも、この交雑種、ハブラにかまれるとコブラやハブの既存の血清では効かないとも言われている。
このようなことから地元民の中にはハブラの存在を非常に恐れている者もいる。存在が確認されたら対策を講じねばならないだろう。












