虎将の目にも光るものがあったのか。阪神は21日のDeNA戦(甲子園)に延長11回の激闘の末、3―2でサヨナラ勝ち。優勝マジックを「10」に減らし、巨人とのゲーム差も「0・5」に広げた。

 延長11回一死から大山の17号サヨナラソロが飛び出し、グラウンドには歓喜の輪ができた。藤川球児監督(46)も「流れがこちらに向きそうでもなかなかうまくいかず、相手にいきそうなところを耐えることができた。ファンの方の声援や期待値は甲子園球場ならでは。みんなそれを生かしてくれて、素晴らしいゲームをしてた」とホッとした表情を浮かべた。

 試合後の会見では、報道陣から「会見場に入った時に、目が潤んでいるように見えた」との質問も飛んだ。指揮官は「ハッハッハ」と笑い飛ばしつつ、涙の有無については「試合に関してはないかな。とにかく、感情的にならずシーズンをしっかり送るための基本的な準備というのは普段からしていますので」とケムに巻いた。

 それもそのはず、最大5ゲーム差をつけていた2位・巨人に一時はゲーム差なしまで迫られるなどシーズン終盤にまさかの大苦戦。5日のDeNA戦から15日の中日戦まで7連敗を喫した際には、聖地ににも重苦しい空気が漂っていた。

 そんな泥沼から脱出し2度目の2連勝。優勝争いの重圧を一身に背負いながらチームをけん引する指揮官だけに、平常心を貫きつつもこみ上げるものがあったのかもしれない。

 悲願のリーグ制覇へ残り11試合。虎将が胸に秘めた思いを解き放つその瞬間まで猛虎軍の戦いは続く――。