東京・港区が自動車のご当地ナンバープレート「港」の導入を検討している。富裕層が多く住むエリアで「港」ナンバーはその象徴となりそうだが、「港区から区が抜けたらダサい」「恥ずかしい」との意見が噴出。港区ブランドは維持できるのか――。

 港ナンバーの導入検討は、ご当地ナンバーの要件が今年になって緩和されたことがきっかけだ。これまで登録自動車の保有台数で10万台超だったのが、7万台超に引き下げられ、現在約8万台が登録されている港区も資格を得た。

 もともと東京23区内のナンバープレートは「足立」「品川」「練馬」の3種類だったが、ご当地ナンバーが2006年に導入され、14年以降、「世田谷」「杉並」「江東」「葛飾」「板橋」「江戸川」が誕生し、9種類となっている。港区は品川ナンバーの管轄で、独自ナンバーの検討は〝独立〟の機運が高まったともいえる。

 港区は21日にご当地ナンバープレート導入に向けた意向調査の実施を発表し、来月下旬から区民1万人や約8200社の事業者を対象に賛否を問う。ところが、ネット上では既に「港区はやっぱり区が必要だな」「品川の方が高級感がある」と反対意見が大勢を占めているのだ。

 港区は全国1741市区町村の平均所得ランキングで不動の1位に君臨し、港区を拠点に生活する「港区女子」「港区男子」は一つのステータスになっている。「港区」の2文字そのものがブランドだけに「港」1文字となった場合は、もはや別イメージどころか毀損しかねないというのだ。

 また、大阪市と名古屋市にも港区が存在する上に「フジテレビの元社長(港浩一氏)のイメージがあるから嫌」などとちゃかされるなど、「港」1文字への反発は大きい。

 ご当地ナンバーの導入を巡っては、賛否が分かれることが多く、見送られたケースもある。神奈川・横須賀市は「『横浜』のままでいい」「車が売れなくなる」などと反対意見が出て、導入を見送り。群馬・伊勢崎市でも論議となり「『伊勢崎』はカッコ悪い」「『群馬』の方がいい」などと反対が賛成を上回り、導入を断念していた。

「住んでいる地域が特定される」「車上荒らしに狙われやすくなる」などと富裕層が多いエリアならではの意見もあり、世田谷ナンバーの導入を巡っては、区民が世田谷区と区長を相手取り損害賠償を求めて提訴したこともあった。〝港区ブランド〟に直結する話で、合意形成は難儀しそうだ。