【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。米国とイスラエルがイランに対して大規模な軍事攻撃を行い、最高指導者のアリ・ハメネイ師を殺害しました。イランも報復を開始し、中東が戦火に包まれています。血も国も超えて本当の意味で人々が分かり合うことはやはり簡単ではないのだと痛感する日々です。一刻も早く事態が終息に向かうことを祈っています。

 そのような思いを込めて今週は、かけがえのない友だった2人の魔女がそれぞれの信念の下、対立することになる、今月6日公開の新作映画「ウィキッド 永遠の約束」を紹介します。

 本作は「オズの魔法使い」で悪い魔女として描かれたエルファバを主人公とした2024年公開の映画「ウィキッド ふたりの魔女」の続編です。オズの国に隠された真実を知り、それぞれの道を歩むことになったエルファバとグリンダ。エルファバは「悪い魔女」の悪名を着せられ、人々から疎まれるようになった。そんな中、“カンザスから来た少女”の出現によってエルファバは、決別したかつての友・「善い魔女」グリンダと再び向き合うことになる――というストーリーです。

 今作は、善悪では片付けられない物語。悪い魔女とされていたエルファバは本当に悪なのか、権力側に都合が悪いからそういう物語にされていませんかと見つめ直させる視点で描かれてます。一方から見れば悪だが、見方を変えれば正義でもある。「マレフィセント」や「ジョーカー」などと同じテーマを持った映画だと言えます。

 かつて心を通わせた友が道を分かつはかなさもポイントです。昔は同じ方向を見ていたのに、時がたち立場が変わると守るもの、言えることも変わってきますよね。僕は、バンドの解散ライブ前夜の会話をイメージしました。みんなが正しいことを言ってるんですよ。それぞれの奏でたい音楽や、かなえたい願いを貫きたいんだけど、どうしても折り合いがつかない。やりきれないようなはかなさに引き込まれました。2人は最後、お互いのことを何と呼ぶのか。そんな視点で鑑賞するのも面白いと思います。

 戦争が起きるたびに、どれだけ平和的に解決しようとしても対立は起きてしまうのだとむなしさを覚えます。世界情勢には、本当に一言では片付けられない難しさがあります。本当の意味で国も肌の色も信条も違う人々が分かり合うにはどうすればいいのか。このタイミングだからこそ見てほしい映画だと感じました。ぜひ劇場でご覧ください。