〝ドリームチーム〟誕生の経緯とは――。ミラノ・コルティナ五輪で、日本勢は過去最多となる24個のメダルを獲得した。イフイング社が展開する「TOKIOインカラミ」勢は、スノーボード女子ビッグエア(BA)金メダル&スロープスタイル(SS)銅メダルの村瀬心椛(21)、フィギュアスケート女子銅メダルの中井亜美(17)ら、多くの選手が存在感を示した。同社の冬廣應尚代表取締役社長が取材に応じ、選手をサポートするにあたっての〝こだわり〟に迫った。
今大会で「TOKIOインカラミ」の所属選手は村瀬、中井だけでなく、スノーボード男子SSの長谷川帝勝、スピードスケート女子の高木美帆もメダルを奪取。全体の約3分の1にあたる7個のメダルを量産した。
「TOKIOインカラミ」は美容向けのヘアケアブランドを国内外に展開。美容師が世界に羽ばたくための支援も行っており、世界で戦うアスリートに共感を覚えたのが支援を始めたきっかけだ。冬廣社長は「スポーツで世界トップレベルの実力があって、世界で活躍しようとしてる選手と美容師の姿がリンクしたので応援しようと思った」と振り返る。
アスリート個人のサポートを始めたのは2021年からで、スノーボード男子ハーフパイプ(HP)北京五輪金メダルの平野歩夢が最初の所属選手。今大会は惜しくも4位だったスノーボード女子HPの清水さらなど、若き有望株も多数在籍している。周囲からの「先見の明がありますね」との声に、冬廣社長は「勘が研ぎ澄まされているんですよ」と笑う一方で、各選手の姿勢は細かくチェックしているという。
アスリートをサポートする上で「メディア映えするしないに関係なく、マネジメント会社、本人も含め、競技に真面目に取り組んでいるか」を入念に確認。どの競技においても10代から20代がピークを迎えるケースがほとんどだけに「有名になってチヤホヤされるのは気持ちいいと思うけど、一番伸びる大事な時期に遊びを優先しないような選手を選んでいる」と明かした。
常にアスリートの活動を優先しており、社内イベントやパーティーなどに呼ぶこともない。「企業にとっての最大のプロモーションは、アスリートが勝つこと。大会で勝ったり、五輪でメダル取ることの方が、もっとアスリートの価値が上がる。勝つためにやらないといけないことがあるだろうから、例えばパーティーでの労力は自分の練習や活動に使ってほしい」と意図を説明した。
4年に1度の五輪は、アスリートの運命を大きく左右する勝負の場だ。かねて「一瞬の喜びだけじゃなくて、自分の人生のためにもメダルを取ってほしい」と語っていた冬廣社長。その願いが実を結び、今大会の好結果につながった。













