好演技の準備は整った。ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子の公式練習が16日(日本時間17日)に行われ、エース・坂本花織(シスメックス)は「ここまで来たらやるしかない」と力を込めた。

 銀メダルを獲得した団体は、ショートプログラム(SP)、フリーともに1位でチームに10点をもたらす活躍を見せた。好調なスタートを切ったが、団体で共闘した鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)やペアの三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が個人戦で苦戦を強いられた。坂本は「なんかこんなにもストイックにやってきた人たちでも、こういうミスがあるんだなというのを目の当たりにして、めちゃくちゃ怖くなってきた」と率直な思いを口にした。

 今大会は随所で五輪の〝魔物〟が出現。男子では絶対王者のイリア・マリニン(米国)がメダルを逃す事態も起きた。「緊張でもプレッシャーでもなくて、恐怖というのが一番当てはまる。今朝も怖すぎて泣いたりとか、正直、毎日泣いている。帰ったら確実に胃腸炎になって倒れるぐらい、全身ストレスがかかっている」と目を潤ませた。

 取材エリアでは思わず涙がこぼれ落ちた。弱気の虫が姿を見せかけるも、17日(同18日)のSPに向けては「今日まで泣けるだけ泣いて、老廃物を全部流し出して、明日をすっきり迎えられるようにしたい。緊張すればするほど自分はいい演技ができると思う。いいフラグは立っているので、あとは回収するだけ」と決意表明。

 集大成の大舞台で、エースの矜持を示すことはできるか。