【イタリア・リビーニョ12日(日本時間13日)発】リベンジ大成功――。ミラノ・コルティナ五輪のスノーボード女子ハーフパイプ(HP)決勝(リビーニョ・スノーパーク)が行われ、予選11位の小野光希(21=バートン)が85・00点で銅メダルを獲得した。前回2022年の北京五輪は表彰台が期待されながらも無念の9位。悔しさを力に変えた現役早大生は、学問の観点からも競技力向上を図っていた。
雪が降りしきる悪条件下で始まった一戦。転倒する選手が相次ぐ中、小野は1本目から技を完璧に決めるフルメイクで滑り切った。2、3本目は転倒となったが、悲願の表彰台を勝ち取った。2010年バンクーバー五輪がきっかけで大舞台への憧れを抱いたスノーボーダーは「下からのスタートだったけど、やるしかないという気持ちを強く持てた。特に高さを最後まで出して滑ることができたので、そこがすごく良かった」と頬を緩めた。
3歳でスノーボードを始め、ジュニア時代から世界で活躍。17歳で北京五輪の舞台を経験するも、技術的なトレーニングだけでは限界を覚え、早大スポーツ科学部に進学した。2年秋からは冬季競技を専門とする藤田善也准教授のゼミを履修。藤田准教授は「スポーツの専門的な動き、動作を分析して、トップ選手と比べてどうかとか、自分の課題を見つけるために評価をして、練習やトレーニングにつなげている」と明かした。
ゼミではそれぞれの学生が興味のある競技を深掘り。小野はスノーボードのトリックに関心を持ち、学問に落とし込む作業を繰り返しながら自己理解を深めていった。
卒論は「スノーボードHPにおける高難度回転技の成否要因」に焦点を当てた。欧州遠征中には現地時間の早朝でもオンラインでゼミに参加するなど、競技と卒論を両立。小野はフロントサイド1080などのトリックを対象に、成功事例と失敗事例を分析することで、安定性を高めるためのヒントを探った。
トリックによって滞空時間や視線の位置など、成功のポイントがあることを発見。藤田准教授は「単純に自分でうまくいったとか、失敗したではなくて、評価する方の側から見て、自分の演技がどうかを分析して、客観的な知識を得られたことは大きい」。トリックのスキルがすぐさま上がることはない。しかし、試合では修正力も重要な要素だ。「自分の感覚だけだと、どうしても限界がある。短い間に次の試技まで修正することが求められると思うが、思考の整理などには役立っているのでは」とメリットを指摘した。
北京五輪後の4年間は「うれしいことよりも苦しい時間の方が本当に多かった」。思うように体が動かなかったり、ケガに悩まされたこともあった。それでも、周囲に支えられながら走り続けた。「本当に辞めないで頑張ってきてよかった。(メダルを)取りたいってずっと目標にしてたけど、いざ実物が目の前に来ると、夢を見てるようなふわふわした感じ」。首元で輝くメダルは努力の結晶だった。













