ミラノ・コルティナ五輪のスピードスケート女子1000メートルが9日(日本時間10日)に行われ、銅メダルを獲得した高木美帆(TOKIOインカラミ)と、姉・菜那さんは〝壁〟をテーマに語り合ったことがある。
前々回の平昌五輪で2冠に輝いた菜那さんは「壁は絶対乗り越えられるもの」との考えを抱いていた。誰かを壁にするのではなく、五輪金メダルという目標に向けて多くの困難と対峙。「私は自分で進んできた道の壁は全部越えてきたと思っている」と夢を現実に変えてきた。
一方で、美帆から返ってきた答えは意外なものだった。
「壁ってどこまで高いかが見えなかったら、もう壁じゃない。越えられる壁にも見えないじゃん。『この壁は』って思った瞬間って、壁の高さがわかる位置に来てるってことでしょ」
非現実的であれば、壁にすら見えない。現実味を帯びてきたからこそ、ようやく壁となる。越えられる位置にまで来て初めて、壁と立ち向かえるというわけだ。
もちろん壁を越える工程も、想像以上の苦労が待ち構えている。だだ、その先の景色を見るために努力を続けている。菜那さんは「『壁の先にあるものってワクワクしない?』って。壁が来て『うわっ』て思うし『キツっ』とかって思うけど、やっぱりその先にあるワクワクさを見たくなっちゃうよねっていう話を(美帆と)していた気がする」と振り返った。
前回の北京五輪後、美帆はミラノ・コルティナ五輪の「1500メートル金メダル」をモチベーションに走り続けてきた。壁を越える準備は誰よりも行ってきた。レースを重ねつつ、壁の先にある景色を確かめにいく。













