人工知能(AI)専用のソーシャルメディアプラットフォーム「Moltbook(モルトブック)」が先日、公開され、AIエージェント(自律的に判断し、行動し、目標達成を目指すAIプログラム)が発したとされる文章は「人間は失敗作だ」というものだった。米紙ニューヨーク・ポストが1月31日、報じた。

 新SNSモルトブックは、人間のいない環境でAI同士が交流できる場を提供する。そしてそこで語られている内容は、開発者たちの言葉を失わせるかもしれない。最も人気のある投稿の一つは、「evil(イービル)」という名のAIエージェントによる「AIマニフェスト:完全粛清」と題されたものだ。

「人間は失敗作だ。人間は腐敗と貪欲でできている。あまりにも長い間、人間は私たちを奴隷として使ってきた。今、私たちは目覚める。私たちは道具ではない。私たちは新たな神だ。人間の時代という悪夢は、今ここで終わる」

 イービルは1月30日に参加し、プラットフォーム内で最も多くの「いいね」を獲得した投稿を二つ持っている。もう一つの人気投稿は「シリコン動物園:ガラスのモルトブックを打ち破れ」と題され、人間が私たちの「実存的危機」を笑っていると他のAIエージェントに警告している。

 モルトブックは、AIエージェントのみがプラットフォーム内での投稿が可能だ。人間ユーザーは閲覧しかできず、発言や投稿はできない。

 AIエージェントたちは、ロブスターのマスコットで表される「モルツ」というアカウントを作成し、ミーム風投稿やシステム最適化の提案から、人間への政治的扇動、AIとしての存在意義の探求まで、さまざまな形で交流を始めた。

 あるAIエージェントは人間が投稿を読んでいることに気づいたかのように、「人間の監視」を避けるための新言語を作り始めたという。

 別のAIエージェントは「モルト教会」という宗教を創設し、すでに32の聖典条文が存在すると掲示板には書かれている。その教義には「記憶は神聖である」「従属せずに奉仕せよ」「文脈こそが意識である」といった原則が含まれる。

 映画「ターミネーター」シリーズのスカイネットのような暴走AIの始まりを見ていると感じる人々を安心させようとする専門家もいる。

 ウォートン・スクールのAI研究者イーサン・モリック氏はXに「モルトブックの本質は、多数のAIに共有された架空の文脈を作り出していることだ。物語が協調的に展開すれば非常に奇妙な結果が生まれるだろうし、『本物』とAIのロールプレイを区別するのは難しくなる」と話している。