地球の7割を占める海には、地上で目撃されるものよりも巨大な体を持つ未確認生物の目撃例が多い。

 中でもその大きさが群を抜いているのはやはり小島のようにも見える巨体を持つ「クラーケン」だろう。5作目の撮影がクランクアップした人気映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでも、2作目に巨大なタコに似た怪物として登場していた。

 クラーケンは主に北欧、ノルウェーで半ば伝説的な怪物として語り継がれてきている未確認生物だ。

 デンマークの司教エリック・ポントピダンの著書「ノルウェー博物誌」で詳しく紹介されている。そこではあまりに大きすぎて全体を把握することは難しいとしながらも、2・5キロはあるため、島と間違えて小舟が上陸してしまうといった記述がなされている。

 また、船の上にいる船乗りたちにムチのような触手で襲いかかるとも言われている。

 現在ではここまで大きな生物が存在するとは考えられないため、クラーケンの伝説はその大半が現存する巨大なイカやタコ、例えばダイオウイカやミズダコなど、非常に大きく成長する頭足類に対する畏敬の念から生まれたものではないかと見られている。

 2013年にNHKで国際研究チームによる深海に生息するダイオウイカの世界初の動画が放送されたり、時折ダイオウイカが漁船の網にかかって水揚げされたことがニュースが世間を騒がせたりした。これも我々が巨大生物に対する畏敬の念を抱いていたことの名残なのかもしれない。

 事実、世界各地に巨大な海の生物の伝説が残っており、日本でも非常に巨大で凶暴なタコの怪物「アッコロカムイ」や島と見間違うほどの巨体を誇る「赤えいの魚」の伝承が残っている。

 だが、中には本当にクラーケンの伝説に匹敵するとも思える規模の大タコが発見されたケースがある。1896年、米国・フロリダ州セントオーガスティンの海岸に巨大なタコらしき死骸が漂着した。吸盤こそ見えないものの、のっぺりとした頭に長く伸びた触手状の肉はやはりタコを思い起こさせる。

 現在では、この巨大タコは「ルスカ」という別称でも呼ばれている。しかし、巨大タコの写真はこのルスカ以外に存在しておらず、別の写真では特徴的な足も見えないため、クジラの死骸ではないかとも言われている。

 なお、海岸に打ち上げられた正体不明の死骸はUMA界で「グロブスター」と呼ばれる。グロテスク(奇妙な)・ブロブ(肉の塊)・モンスター(怪物)の略である。

 水棲生物にはまだまだ謎が多く、ものによっては常識では考えられない形状を持つものも多い。もしかすると、クラーケンやルスカもそんないまだ知られていない海洋生物の一種だったのではないだろうか。