【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#651】「グラフトン・モンスター」は、キャンプファイヤーにおけるサマー怪談として、語られることが多い未確認生物である。米ウェストバージニア州のグラフトンに出現したとされる化け物であり、頭部がなく、全体的に色白である。

 初めて目撃されたのは、1964年6月の夜、新聞記者のロバート・コックレル氏が車で走行中のことである。ヘッドライトの先に姿を現したのは、身長3メートル近い頭部のない怪物であった。だんだんと接近するにつれ、その怪物はアザラシのような肌を月明かりのもとあらわにした。

 目撃したコックレル氏が米紙「グラフトン・センチネル」で記事にすると、地元は騒然となった。100人以上の若者が怪物捜索に乗り出したのだ。さらに目撃者は20人を突破し、いつしかグラフトン・モンスターという名前もついてしまった。

 話が広がるうちに、動物園から逃げ出したホッキョクグマという説が出た。さらには、もともとは人間だったが、政府主導で行われている「FEV(強制進化型ウイルス)」による実験で生まれたという説まで出た。

 しかし、後になって、第一発見者であるコックレル氏自身が「友人と話すうちに、話が大げさになってしまったのかもしれない」とカミングアウトしている。コックレル氏が目撃したのは、暗闇の中で巨大な箱を山積みにして運んでいた青年の姿だったかもしれないというのだ。

 なお、グラフトン・モンスターは、ゲーム「Fallout 76」に採用され、人気キャラクターとして世界中で広がっていった。近くの敵と戦う時は強烈な頭突きをかまし、遠隔の敵と戦う場合は、石油の塊などを投げつけてくるという。