賜杯奪回に暗雲だ。大相撲初場所(11日初日)を控えた5日、横綱審議委員会(横審)による稽古総見が東京・両国国技館で行われた。横綱大の里(25=二所ノ関)は横綱大関陣の申し合いには加わらず、格下の力士を相手に調整。先場所で痛めた左肩に不安を抱えるなか、大相撲解説者の舞の海秀平氏(57=元小結)は「15日間、持つのかどうか」と指摘した。
大の里が目前に迫る初日を前に、不安を露呈した。昨年11月の九州場所で左肩を負傷し、千秋楽を休場。この日は横綱大関陣との申し合いを回避し、小結王鵬(25=大嶽)、幕内平戸海(25=境川)と番取って8勝3敗だった。左からの攻めは、故障前と比べて迫力不足の印象。王鵬のノド輪にのけぞり、一方的に押し出される場面もあった。
国技館で稽古を視察した舞の海氏は、大の里の状態について「まだまだですね。最後まで取れるのか、ちょっと心配。15日間、持つのかどうか。左が使えていない。肩のケガというのは厄介なんですよ。どう動かしたら痛むのかが分からないですから。右を使いながら勝っていければ…。(本番で)左を使ってみて、使えそうだったら波に乗っていくことも考えられますけどね」と不安視する。
日本相撲協会の八角理事長(62=元横綱北勝海)は「(初日まで)時間が足りない気がする。まだ当たれていない。左を使っていなかったし、試しながらやっている感じだった」と指摘。一方で「横綱である以上は間に合わせてくるとは思うが…。(大の里は)もともと稽古場では力を出さないから。本場所ではやってくれるでしょう」と本番での〝変わり身〟に期待をかけた。
ただ、ここから急仕上げで初場所に間に合ったとしても、稽古不足のまま本番を迎えれば故障が再発するリスクと隣り合わせ。患部をかばえば、新たなケガを誘発する危険も伴う。大の里にとって、故障明けで本場所に臨むのは初めての経験。舞の海氏が危惧する通り、千秋楽まで完走できるかは現時点で不透明だ。
大の里本人は「横綱大関たちとはできなかったけど、しっかり体を動かせた。もう大丈夫だと思う」と回復を強調。「初日に間に合うように準備したい。年6場所を皆勤できるように、しっかりやっていきたい」と意欲を示したが…。現役最多の優勝5回を誇る横綱は、初場所の土俵で復活した姿を見せられるのか。












