台湾有事に関する11月7日の高市早苗首相の国会答弁に中国が反発し、日中間対立が激化している。
そんななか、中国文化観光部は11月下旬、複数の大手旅行代理店のトップを招集し、日本への観光客数を当初の6割に減らすよう指示したという。その際、政府の指示を公表しないよう通達したとみられる。そのため、中国メディアはこの「6割」指示の件を一切報じていないようだ。
中国当局は旅行会社に対し、具体的指示として、日本行きのビザ申請数を減らすことで、団体旅行客を6割に減少させるよう要請していた。団体旅行客に限ったもので、個人旅行客は対象外という。
当初、中国当局が日本への渡航自粛を呼び掛けたのは、12月までの措置で、日本の治安悪化を理由に挙げていた。その後、来年3月まで渡航自粛措置を取るよう指示されたというが、これは中国人が海外旅行をする春節(中国の旧正月)の期間を含む。日本の観光業へ打撃を与える狙いとみられる。
それにしても、なぜ団体旅行客に限った上、公表しないよう指示したのか。
中国事情通は「日本への中国人旅行客は団体1割、個人9割です。だから、団体客を減らしたところで、日本との全面対決にならないでしょう。そして、団体旅行客は旅行会社を通さないと旅行できないのですが、大手旅行会社は国営なので、政府がコントロールしやすいのです。それで政府は日本に強硬な態度を取っているように見え、日本への警告にもなるのです」と指摘する。
そして、在中国日本国大使館のホームページによると、ビザの種類は5種類。おおまかには年収で区切られ、「団体観光」ビザは年収200万円未満とされ、あとは年収によって「個人旅行」ビザの有効期間、滞在期間が延びていく仕組みになっている。
「団体旅行客は、地方在住の低中所得者で、一生に一度だけの海外旅行という層です。ただでさえ、都市部との格差に不満を持っています。その人たちだけが日本旅行できないと知られると、『金持ちだけは日本旅行していいのか』と不満が政府に向きかねません。知られないよう減らす必要があったのでしょう」と同事情通は解説した。












