【ニール・ヤング/ハーヴェスト(1972年)】

 もはやロック界のアイコンとなった大御所ニール・ヤング、72年の名作。全米と全英1位の大ヒットとなった。ニールの抒情性と攻撃性が表裏一体となって、アルバム全編を通じ独特の世界観が展開される。

 静かな「週末に」で幕を開け、切なく声を振り絞る「ハーヴェスト」への流れは感動的だ。A面4曲目には最大のヒット曲となった「孤独の旅路」(全米1位)でアルバムはハイライトを迎える。フォーク/カントリー的世界がほとんどを占めるがA面ラストの「国のために用意はいいか?」や南部の人種差別を徹底的に批判した「アラバマ」などは、ニールの過激な部分が前面に押し出される。B面はダークな「ダメージ・ダン」、再び抒情的な「歌う言葉」でアルバムの幕を閉じる。

 ニール独特のセンチメンタリズムと、激しくギターを鳴らす破壊的な部分が共存するアルバムだが違和感はない。むしろ独特の構成が、後世にも語り継がれる名盤となった要因となっている。70年の「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」と並んで、ニール初期の大傑作である。

 92年には当時グランジに傾倒していたニールは続編ともいえる「ハーヴェスト・ムーン」をリリースしたが、こちらも名作で表題曲はとにかく泣かせる。現在80歳ながら精力的な活動は止まらないままで、ほぼ毎年傑作を出し続けている。まさにロック界の巨人である。