田久保真紀前市長の失職に伴う静岡・伊東市長選(7日告示、14日投開票)は立候補者乱立でカオスな選挙戦が予想されている。逮捕、勾留中の政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告の〝獄中出馬〟の観測も消えずに混乱に拍車をかけている。

 市長選には学歴詐称騒動で2度の不信任決議を受けて失職した田久保氏、5月の市長選に敗れた前市長の小野達也氏、国民民主党推薦の杉本憲也元市議、4年前の市長選に出馬したスポーツインストラクターの石島明美氏、NPO法人代表の岩渕完二氏、薬局チェーン顧問の黒坪則之氏、観光団体元役員の利岡正基氏、元会社員の大野恭弘氏、マンガ家の鈴木奈々子氏らが出馬を表明している。

 各メディアで、「動向不明」と扱いに困っているのが立花被告だ。出馬を表明していたが、正式な出馬会見を開く前日に元兵庫県議への名誉毀損の疑いで逮捕された。出馬は立ち消えかと思われたが、代理人弁護士は先月14日段階で「立花氏としてはご支援いただいている皆さまが立候補してほしいということであれば、獄中ではないが、留置場内でも場合によっては立候補を考えたい」との意向を表明し、その後は関係者を通じて、連絡は入っていないという。

 支援者からは出馬を望む声が多い一方、「選挙どころではない」との声もある。これまでも奇抜な選挙戦を繰り広げてきただけに当日までに出馬意向があれば、陣営は手続きができる態勢を整えている。

 昨年の衆院東京15区補選を巡る公選法違反で逮捕されたつばさの党の黒川敦彦代表は勾留中に都知事選に〝獄中立候補〟しており、勾留中の出馬は珍しくはないご時世でもある。

 同市長選では過去最多の候補者となる見通しだが、すでに再選挙を見越している動きもある。法定得票数(有効投票の4分の1以上)を獲得する候補者がいない場合は再選挙となる。2018年の千葉・市川市長選や22年の東京・品川区長選などで行われた。「今回はパスして、来年の再選挙狙いで動いている陣営もあると聞きます」(永田町関係者)

 杉本氏の決起集会に駆け付けた国民民主党の榛葉賀津也幹事長はカメラの多さに「自民党総裁選より多い」と目を丸くしたほどの注目度で、大混乱の2025年を締めくくる師走の〝伊東決戦〟となる。