首相指名選挙での一本化を巡って、立憲民主党の野田佳彦代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、日本維新の会の藤田文武共同代表が15日、3者会談した。玉木氏が立憲に求めた安保法制の解釈や原発政策の一致は見ることはなく、物別れに終わった。維新は自民党との連立協議に入り、高市早苗総裁が首相となる公算が大きくなった。国民と立憲の間には政策合意の前に埋まるハズのないあまりに大きなミゾがあった。

 会談を終え、会見した玉木氏は「少し歩み寄りはあったが、依然、隔たりが大きい」と繰り返した。3党が共闘すれば自民党の議席を上回ることで、立憲が持ちかけた〝玉木首相案〟に対し、玉木氏は安全保障や原発などの基本政策の一致を求めていた。野田氏からは「安保法制に違憲の部分がある」「原発ゼロは維持する」「憲法改正には賛成できない」と現状維持の回答があり、譲歩することはなかったという。

 玉木氏はこの日、高市氏とも会談し、事実上の連立入りの打診があったことを明らかにした。「基本政策においては正直、高市総裁とかなり重なる部分がある。特に高市総裁の成長戦略や科学技術立国の復活はかなり一致している」(玉木氏)

 連立については公明党が離脱したことで過半数を取れないことを理由に「まずは信頼関係を醸成して、さらなる連携強化のところにいきませんか」と、年内のガソリン暫定税率の廃止や年収の壁引き上げなどの実施をあくまで求めたが、立憲への対応とは裏腹に前向きな姿勢を示した。

 高市氏と会談した維新の吉村洋文代表も連立を打診され、政策協議に入るとした。野党3党は幹事長、国対委員長レベルの協議に引き戻し、21日召集の臨時国会前日に再びトップ会談する予定としたが、玉木氏は「行くべき道は遠い」と話し、事実上、野党共闘による玉木氏の担ぎ上げは破談となった格好だ。

 もっとも玉木氏と立憲は、協議をしていたこの間、基本政策だけでなく、人間関係でも埋まるハズがないミゾを露呈していた。

 玉木氏は11日に自身のYouTubeチャンネルで榛葉賀津也幹事長と対談していた。結党から苦難の7年を振り返った玉木氏は「榛葉さんは民進党の代表選で蓮舫さんを応援していたんだよ」とニヤつき、榛葉氏も「放送できない」と爆笑。2人は蓮舫氏からSNSでブロックされていたことも明かし、「黒歴史」と悪ノリしていた。これに蓮舫氏はXに「悪口を笑いながら広める行為は、SNSの力を貶めるものだと思います」と、誹謗中傷されたとのスタンスで問題視していた。

「蓮舫氏は玉木氏よりも2つ上で、当選も早いとあって、先輩風を吹かしてきました。民進党の代表選で玉木氏が男泣きした時には『男なら泣くな』と一喝したこともある。榛葉氏は国政から離れた蓮舫氏が参院選挑戦するとの一報に『帰ってくるのはウルトラマンと蓮舫さんだけ。3分しか戦えない』と皮肉っていた。玉木、榛葉両氏と蓮舫氏の関係は水と油。両党が共闘してもすぐにケンカですよ」(永田町関係者)

 また野党共闘の仕掛け人ともされる立憲の安住淳幹事長は玉木氏に対し、「きれいごとでごまかしているうちは本当ではない」「覚悟が足りない」とたびたび挑発的な言動を繰り返し、呼び捨てしたことなども物議を醸していた。

「横柄で、上から目線の安住氏は、長く〝ちびっこギャング〟と言われていましたが、財務相や予算委員長など要職をへて、いまでは〝閣下〟と呼ばれている。安住氏からすれば玉木氏なんて三下扱いですよ」(同)

 玉木氏は3者会談後に「野田代表個人とはかなり近いが、立憲の政党全体としてはまだまだ隔たりが大きい」と本音を漏らした。安住、蓮舫両氏との確執は根深く、仮に首相になっても数の上で圧倒する立憲に利用されるだけと見越していて、とても野党共闘に乗れる土壌ではなかった。