先週の当欄では、「自民党総裁選が終わり、数か月にわたって停滞気味だった国策がようやく動き出す」と書いた。しかし、自公の連立解消によって政局はさらに混迷の度合いを深め、国策遂行に疑念が生じつつある。
連休明けの株式相場は、政局と米中摩擦の激化で暴落待ったなしの様相となったが、トランプ大統領お得意の〝翻意芸〟もあり、13日の米国相場が反発。日本の株式市場はひとまず軽傷で済んだ。とはいえ、足元の政局は、仮に高市総裁が首相に就任したとしても、今後の政権運営が難解であることを物語っている。
そこで、今回は国策ではなく「都の政策」に注目してみたい。東京都は9月下旬、電線を地中に埋める「無電柱化」を進めるため、指定地域では宅地開発時の電柱新設を原則禁止とする方針を打ち出した。来年までに条例化を目指すという。
都の「無電柱化計画」は、これまで東京五輪の開催を背景に進められており、2040年代には都道全域で電線地中化を完了することを目標としている。
小池百合子都知事は、ロンドンやパリといった先進国の首都が無電柱化率100%であることを念頭に、将来的には東京都も同じ状態にする考えのようだ。まずは主要幹線道路や都道から無電柱化を進め、その後はすべての主要道路に手をつけていくものと思われる。
無電柱化でメインになるのが「共同溝」である。これは、太いコンクリート製のパイプを地中に埋め込み、電線やガス、上下水道を一緒に収容する設備のこと。共同溝を作るには、膨大な費用と時間がかかるため、短期間で株価を押し上げるというより、ジワジワと業績や株価に効いてくる相場テーマと言える。要は、突然降ってわいたわけではなく、数年前から関連銘柄の株価を下支えしてきた相場テーマと言える。
関連株の裾野は電線や建設、工事、コンクリート製品など幅広い。現在は東京都がメインだが、今後は共同溝敷設が全国的に広がり、10年単位で関連企業の業績を押し上げることになりそうだ。
共同溝関連の穴株として、日本コンクリート工業(5269=315円)に注目しておきたい。コンクリートパイル(基礎杭)大手で、電線地中化に必要な共同溝向けコンクリ製品を手掛ける。
建設コンサルのオオバ(9765=1074円)は、2018年に東電のグループ会社と無電柱化に関する業務提携を締結した。9日発表の第1四半期決算が大幅減益となり株価が急落したものの、日本コンクリ同様、下値不安は小さい。(株価は14日終値)













