女優として活動していた女性にわいせつな行為をしたとして準強姦罪に問われている映画監督の榊英雄被告(55)の公判が7日、東京地裁で開かれた。
起訴状によると女性は2015年に榊被告が監督を務める映画に出演することになり、衣装合わせのため当時、榊被告が事務所として利用していたマンションの一室を訪れた。衣装合わせ後に、作中に自慰行為をするシーンがあることを理由に榊被告から自慰行為のリハーサルを求められ、その最中に性加害に遭ったという。
前回4月の公判では、被害女性はリモートで証人尋問に答えていたが、事件当時を思い出し嗚咽を漏らすなど精神的に不安定となり途中で中断。その後も女性の体調が回復せず、そのまま閉廷となっていた。
この日は前回の証人尋問の続きから再開。榊被告は男女の関係は認めているが、監督という立場を利用し抗拒不能であったことは否認。同被告は行為を撮影しており、動画の中で女性が抵抗していなかったと弁護士が指摘した。抵抗しなかった理由について女性は「無防備な状態で抵抗すれば何をされるか分からなくて怖かった」と証言。それに加えて「(リハーサルを)途中でやめると俳優としてダメだと思われるかもしれない」と仕事に影響が及ぶかもしれないという葛藤があったことも明かした。
被害後も女性は榊被告の作品に出演。食事に誘われることもあったが、2人きりにならないように心掛けたという。事件については「自分の身に何が起こったか理解できなくて、考えないようにしていた」と記憶を心の奥に閉じ込めた。
しかし22年に榊被告の性加害に関する週刊誌報道があり、関係者から「被害に遭ってないか?」と聞かれ、「あれはやっぱり加害だったんだと思った」ことから被害を申告するに至った。女性は法廷で思い出したくもない記憶をたどり、涙ながらに証言。その間、榊被告はアゴに手を当て目を閉じていたが、女性の声は届いたのだろか。












