自民党総裁選(10月4日投開票)に出馬している小泉進次郎農相の〝ステマ〟問題がどこまで影響するのか。29日、各陣営は視察、あいさつ回りをするなど支持拡大に向け活動。小泉氏と高市早苗前経済安全保障担当相の2強と指摘される中で、ステマ問題が総裁レースを左右するかもしれない。

 渦中の小泉氏はこの日、老人ホームを視察。「今日の現場の介護、そして医療、看護、福祉、教育、こういった現場の方々の処遇を改善することは、私が総理総裁になった暁には補正予算の中で物価高対策をやっていきますので、そこで処遇の改善につながることをやっていきたい」と意気込んだ。

 一方、ステマ問題を受けて余裕のある戦いとはならなくなった。「陣営の中で今回、私も責任を感じているようなことが出てきていることも事実で、残りの選挙戦の中で二度と同じことがないような緊張感を持った戦い方をしないといけない。必要となる説明を最後まで尽くしていくのは当然のこと。選挙は総裁選でも他の選挙でも最後まで分かりません」と気を引き締めた。

 高市氏も医療施設を視察。林芳正官房長官は支援議員と対策を練り、小林鷹之元経済安全保障担当相は業界団体を回った。茂木敏充前幹事長は沖縄に飛び、航空自衛隊那覇基地を視察した。

 各報道機関の調査では小泉氏と高市氏が先行し、林氏が追いかける展開。そこに飛び出したのがステマ問題だ。

 小泉陣営で総務・広報班長を務める牧島かれん元デジタル担当相の事務所が小泉氏が出演する動画に応援コメントをするよう陣営内に要請。コメント例として「ようやく真打ち登場!」「あの石破さんを説得できたのスゴい」というヨイショから「ビジネスエセ保守に負けるな」という高市氏を念頭に置いたかのような批判もあったという。

 小泉氏が事実と認め謝罪する一方で、ほかの候補者らは党内融和を意識して攻めず。とはいえ、日本維新の会の前原誠司前共同代表が小泉氏の撤退に言及するなど反響は大きい。

 総裁選に影響するのか。ベテラン秘書は「永田町の空気感はそこまで影響しないだろうという感じ。小泉事務所がやったならともかく、陣営の中の小泉事務所ではないほかの事務所が主導したということなら、むしろ気の毒というか小泉氏への同情論もあるくらいです」と明かした。

 ほかの選挙でも候補者がネット動画に出演する場合、関係者が応援コメントを書くことはあり得るという。「ポジティブなコメントまではあり得る。対立候補にネガティブなコメントとなると話が違ってきますね。コメント案を用意するのもおかしいけど、コメント案をそのままコメントするのはもっとおかしい。少しは変えろよって。そういう配慮できる人がいなかったのも気の毒」(同)

 永田町の常識は世間の非常識ということなのか。