F1レッドブルの角田裕毅(25)が、アゼルバイジャン・グランプリ(GP、決勝21日)で劇的復活を遂げた裏に異例の〝夏休み返上〟による極秘特訓があった。

 角田はアゼルバイジャンGPで今季最高の6位と躍進。5位だった姉妹チーム・レーシングブルズのリアム・ローソンには後塵を拝したが、同グループ内のバトルを避けてあえて追い抜かなったことを強調している。

 ようやく本来のパフォーマンスを発揮し始めた角田について、英モータースポーツ専門メディア「ザ・レース」が「角田のレッドブルでの回復の始まりとなったキャンセルされた休暇」と題して特集。キッカケは夏休み返上で敢行した極秘特訓にあったと指摘した。

「アゼルバイジャンGPでの角田裕毅のレースペースの躍進は、夏休みを放棄し、レッドブルを窮地から救おうとする彼の決断にまでさかのぼる。8月のハンガリーGP後、F1の他のドライバーたちが休暇モードに入る中、角田はハンガロリンクでのチームのひどい週末(角田17位、マックス・フェルスタッペン9位に終わった)を考え『今は休むべき時ではない』と感じていた。彼は日曜の夜、ローラン・メキース代表に対し、夏休みのため日本に帰る飛行機をキャンセルすると伝えた」。角田は夏休みの返上を指揮官に自ら直訴する異例の行動に出て、特訓を積んだのだ。

「彼は英国に戻ってレッドブルのシミュレーターに乗り込み、何が問題なのか、どうすれば解決できるのかをチームメンバーとともに考えようとした。その週に行った作業によっていくつかの答えが得られ、角田はRB21を改良し、マシンのハンドリングのクセを克服する唯一の方法は、ひたすら努力を続けることだと確信した」

 ここでマシンを手のうちに入れるヒントを得た角田は、夏休み明けのGPを通じて試行錯誤を繰り返していく。「追加のシミュレーションセッションを要請するようになり、イタリアGP後のそのセッションの1つで、先週末のマシンの感覚を変えるのに役立つ何かが解き放たれた。バクーでの練習走行で初めて実戦での変化を経験したことについて、彼は『こんなペースは初めてだった。自分のパフォーマンスの低下という点では、すべてがより理解しやすくなった』と語った」と同メディアは復活の背景を指摘した。

 盟友のメキース代表も、そうした角田の姿勢を高く評価。「彼は決して努力を怠らなかった。ブダペストでの厳しい時期の後、休暇に行く代わりにシミュレーターに直行した。レースに出ていない週末は、エンジニアたちとどこかで練習したり、ドライビングの練習をしたりしている。彼が進歩を見せてくれたことを、とても嬉しく思う」と称賛している。

 そして同メディアはこう結論付けた。「こうした懸命な努力の成果はバクーで大きな形で表れ、角田は大幅な進歩を見せた」。ここからいよいよ強豪らしいパフォーマンスを見せるのか楽しみだ。