F1アゼルバイジャン・グランプリ(GP)決勝が21日に行われ、レッドブルの角田裕毅(25)は6位入賞を果たしたが、すぐ前を行く姉妹チーム・レーシングブルズのリアム・ローソンを捕らえきれなかったことが注目の的となっている。

 6番手スタートの角田は、1周目からメルセデスのジョージ・ラッセルと激しいバトルを展開。その後は安定した走りを見せて、スタート時の順位である6位を維持しながら終盤を向けた。

 最終盤には、ローソンの直後にピタリとつけて何度もオーバーテイクを試みる場面も。だが、ローソンの必死のブロックを崩せず、抜くことができない。最後はローソンを追うことよりも猛追されていたランド・ノリス(マクラーレン)を防ぐことを優先させるような走りで6位フィニッシュとなった。

 角田とローソンは、来季レッドブルグループ内の残留をかけて二者択一となっている状況。トップチームの側にいる角田としてはローソンをオーバーテイクしなければならない立場だったが〝直接対決〟に敗れる格好に。ローソンに最高のアピールを許す格好となってしまった。

 だが、レース後の角田はローソンに負けたわけではないと主張した。フランスのモータースポーツ専門メディア「ネクストジェンオート」は「彼はレース後半でローソンを追いかけたが、彼を攻撃したくなかった。同じメーカーの車と対戦すると、彼が取りたくないリスクを負うことになると思ったからだ」と報じ、角田のコメントを伝えた。

角田の「ガード」もあって?5位入賞となったリアム・ローソン(ロイター)
角田の「ガード」もあって?5位入賞となったリアム・ローソン(ロイター)

 角田は「チームのため、そしてマックス(フェルスタッペン)のためにも、チャンピオンシップのことを考えていた」とフォアザチームを強調。その上で、ローソンとのバトルについて「リアムをアタックするチャンスはあったが、マクラーレンに追い抜かれるリスクがあった。レッドブルのドライバーとしては、そういうことは避けたい。だから、彼にチャレンジしないという判断は正しかったと思う。それに、楽に追い抜くだけのペースもなかったと思う」。

 角田とローソンと言えば、前戦イタリアGPで〝同士打ち〟をしてしまい、そろって低迷した苦い経験をしたばかり。後ろから今季圧倒的な速さを持つノリスも迫っていたことから、安全策を取ってローソンはわざと抜かなかったというわけだ。

 今季自己最高の6位という結果を持ち帰った角田は、大きな手応えをつかんでいる。「マシンにいくつか変更を加え、チームのサポートを受けながらロングランで力を発揮した。まだ自分が目指すレベルには達していないが、マシンの変更やドライビングの変更がプラスに働いている」。そして「これは将来に向けてさらなる自信を与えてくれるものだ」と力強く宣言した。

 次戦シンガポールGP(決勝10月5日)では、今度こそ表彰台を狙いたいところだ。