大相撲秋場所10日目(23日、東京・両国国技館)、大関経験者の十両朝乃山(31=高砂)が十両羽出山(25=玉ノ井)を押し出して8勝目(2敗)を挙げ、勝ち越しを決めた。取組後に「今日もよく前に出て攻められた。しっかり相手が見えていて、良かったと思う」と納得の表情を見せた。

 昨年の名古屋場所で左ヒザ前十字靭帯を断裂。手術と長期休場により、番付を幕内から三段目まで落とした。そこから再起して昨年の春場所以来、1年半ぶりに関取として勝ち越した。

 朝乃山は「勝ち越して終わりじゃないので。これから番付を上げるため、ケガをしないように、より気を引き締めて頑張りたい」と力を込める。場所中に15日間、相撲を取るのは久々だが「疲れは? 大丈夫。(部屋に帰ったら)すぐ寝ているので」と笑顔を見せた。

 富山県出身の元大関には、地元を中心に多くのファンから〝熱視線〟が送られている。この日の十両土俵入りでは、場内の観客からひと際大きな歓声を浴びた。「(ファンに)本土俵で自分の相撲を見てもらえてうれしい。応援してもらって感謝しているし、頑張りたい」と恩返しに意欲を見せた。

 十両の優勝争いでは、2敗で朝乃山を含めて5人の力士が並ぶ。「まだ10日目で、どうなるかわからない。みんな接戦なので。(周りの)結果より、しっかり自分の相撲を取っていきたい。結果は後からついてくる」と、目の前の一番に集中する構えを見せた。

 幕内復帰を目指す元大関が、勝負の終盤戦に向けて気合十分だ。