世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子総裁(82)が17日、韓国・ソウルの特別検察事務所に出頭した。尹錫悦前大統領の妻・金建希被告に不正な金品を渡した政治資金法違反の疑いが持たれ、韓氏への事情聴取が行われた。教団トップが捜査機関に出頭するのは極めて異例。20年以上、旧統一教会を取材してきた鈴木エイト氏が今後の捜査の行方、教団の今後、日本への影響について解説した。

 韓氏はこれまでに3回にわたる出頭要請を受けていたが、心臓手術の回復が思わしくないことを理由に応じなかった。しかし、この日午前10時前に、関係者に付き添われながら弱々しい足取りで出頭した。

 韓氏をめぐっては、あっせん収賄罪などで起訴された金建希被告に高級ブランド品などを贈ることを指示し、見返りに教団の事業が韓国政府の援助を受けられるように便宜を図らせた疑いが持たれている。

 今年7月に金建希被告にブランド品を渡したとして教会の元幹部が逮捕・起訴された。また、教団から不正な政治資金を受け取ったとして、尹前大統領の側近で最大野党「国民の力」の権性東氏が逮捕。韓国メディアによると韓氏は容疑を否認しているという。

 今後の捜査の行方についてエイト氏は「贈賄側と収賄側が逮捕されている。教団が言うように元幹部が勝手にやったというのはさすがに通らないと思う。今日の時点で逮捕という形にならなかったので高齢、病気を理由に在宅起訴になるのではないか」と推察した。

 トップの起訴は教団にどのような影響を与えるのだろうか。エイト氏は「ダメージは大きいと思うが信者の大量脱会とかはなくて、より結束が強まっていく方向になる。日本では解散命令が進み、韓国では韓鶴子の捜査が進み、『国による宗教弾圧、迫害だ』みたいな方向になっていく」と予想した。

 教団が過激化する可能性については「暴力的な行動を起こすような団体ではない。どちらかと言うと号泣デモとか」と情に訴えていくこと可能性が高い。

 危惧するのは教団の働きかけによる米トランプ大統領のSNSでの発言だ。先月行われた米韓首脳階段を前にトランプ大統領は「韓国の新政権が教会を対象とする悪質な強制捜査をしたと聞いた。容認することはできない」とコメント。エイト氏は「教団の依頼でトランプはやりかねない。それに韓国政府がひよらないでほしい」と述べた。

 一方で今回の捜査に期待もある。エイト氏は「これで韓国本部が弱体化して日本に多額の献金を求めないような体制になれば日本の組織も健全化していくかもしれない。日本からのお金、政治家へのお金の流れが顕在化していけば、色んな膿が出てくる」と期待を寄せた。