F1が2027年からスプリントを現行の6レースから一気に12レースへ倍増させる方針と英大手紙「タイムズ」が報じた。

 F1では2021年に短距離で争われるスプリントを創設以来、人気が高まっており現在は6レースが実施されている。来季もレース数は変わらず、開催地が中国(3月13―15日)、マイアミ(5月1―3日)、カナダ(5月22―24日)、英国(7月3―5日)、オランダ(8月21―23日)、シンガポール(10月9―11日)になることが発表されたばかりだ。

 そうした中、F1が大ナタを振るうことになる。同紙は「27年シーズン以降、スプリントレースの数は倍増する可能性がある(24のグランプリのうち12)。だが、当初はカレンダー上のイベントの50%を超えることはないという」と報道。その背景として「F1のデータによると、スプリント形式は非競争的なプラクティスセッションよりも視聴者に人気が高いことが示されている。24年のグランプリ週末のテレビ視聴率は、スプリントレースが組み込まれていた場合、平均で10%増加した。今年の上海スプリントレースでルイス・ハミルトンがフェラーリに初勝利をもたらしたことは非常に人気が高く、F1は上位15市場における生中継視聴者数が昨年比で84%増加したと報告している」と分析した。つまり、視聴者の要望に応える形でスプリントを激増させるというわけだ。

 スプリントは通常のフリー走行に組み込まれるため、ドライバーにとっては走る回数こそ変わらないが、ポイントを争う真剣勝負になるため、心身両面で負担が大きい。もちろんアクシデントやマシンの故障の可能性も高くなる。

 そのため英メディア「F1オーバーステア」は「スプリントのさらなる増加はファンの意見が分かれるだろう。練習よりも競技セッションを好むファンは多く、これを歓迎するだろう。しかし、ドライバーがリスクを負うことを躊躇する傾向にある中で、スプリントレースが本当にレースの見応えを高めるのか疑問視する声もあるだろう」と指摘する。ドライバーはリスクを回避するためにスプリントを重視しない傾向が加速する懸念もあり、そうなると視聴者の反応も悪くなる可能性がある。

 スプリントの倍増計画は、F1の〝商業主義〟を浮き彫りにしているのか。実現なるか注目が集まる。