8月に入って、日経平均株価の快走が続いている。テクニカル的には過熱気味の兆候が出ているものの、いまのところ信用買い残の急増も見られず、株式の需給関係はおおむね良好だ。

 ただ、7月22日の当欄でお伝えしたように、現在は政権基盤が揺らいでおり、国策の実現度に対して不確実性が高まっている。そんな中、政局がどう動こうが、粛々と政策が実行される「不動の相場テーマ」になることが想定されるのが、農業に関する政策である。

 今月上旬、政府が米の生産調整の見直しやスマート農業の推進、環境配慮型農業への交付金創設など、農業政策の一大転換を表明する方針であることが明らかになった。「令和の米騒動」を経て、農業政策が大きな転換期を迎えていることは確かである。石破首相が辞めようが、新たな連立政権が誕生しようが、この状況は変わらないだろう。

 東京商工リサーチの調査によるとここ1、2年、コメ農家の倒産件数は過去最多で、2025年も更新する見通しだという。当然、政府もこの状況を把握しているはずだ。そう考えると、こと稲作に関しては、体制の再整備は急務と言っていい。すでに足元では農機大手の井関農機(6310)や農産物の直売所を展開する農業総合研究所(3541)など、一部関連銘柄が人気化している。

 もっとも、農業関連株全体に買いが波及するような状況にはなっておらず、出遅れている銘柄も少なくない。今後、政局の合間を縫って農業関連の施策が打ち出され、それを受けて関連銘柄が人気化する相場に突入する可能性があるだろう。

 農機トップのクボタ(6326=1807円)は指標的な割安感があり、株価は安値から居直ってきたばかり。上昇トレンドへの転換が期待されるが、同社は北米向け比率が高いため、トランプ関税による悪影響の懸念が残る。その点で、国内向け比率が高く、農薬散布用の防除機やドローンを手掛ける丸山製作所(6316=2250円)には要注目だ。流動性に難はあるものの、農業政策転換を追い風に日々の出来高も増えていくだろう。

 農業用ドローン関連では、農薬散布でAIを活用した画像解析の特許を持ち、株価が上昇トレンドに転換しつつあるオプティム(3694=579円)が興味深い。ドローン関連ではTerraDrone(278A)も面白いが、こちらは株価の底値が固まっておらず、もう少し様子を見る必要がありそうだ。(株価は19日終値)