石破茂首相は21日に自民党本部で開いた会見で、公明党との議席を合わせて過半数割れした参院選の結果を総括し、続投宣言した。しかし、一夜明けた党内の様子は穏やかではない。

 参院選の歴史的な惨敗を受けて噴出する党内からの退陣要求に対し、石破首相は「両院議員総会を開き、丁寧に対応していく」と声を振り絞って説明したが、反発や不安の声は止まらない。

 その発火点は最高顧問の麻生太郎氏だ。20日の投開票日に与党過半数割れが確実になったことを受けて、周囲に石破首相に退陣を求める方針を伝えたからだ。

「麻生氏は選挙中から自身の派閥の議席が減る可能性が高いことをにらみ、剛腕ぶりを発揮し動いていた。旧岸田派も議席減が予想されていたことから宏池会復活をにらみ、石破首相の続投を認めない、退陣要求を求める発言になったのです」(政界関係者)

 石破首相は麻生氏の動きを察したのか、投開票日のテレビ出演で早々に続投宣言。この日の会見が行われる前に開かれた臨時役員会では、役員たちに続投を伝えた。

 ある自民党議員は「役員会の直前に幹部会が行われたとも聞いた。そこで麻生氏は石破総裁に直接、退陣要求したはずです。麻生氏は石破首相に退陣してもらって立憲民主党と大連立を組み、野田佳彦代表で首班指名というシナリオがあったと思う」と明かした。

 その上で「石破首相の周辺は麻生氏が攻撃してくることを予想し、投開票日が近づくにつれて、総裁を辞任し総理総裁分離論で続投宣言というシナリオを描いていたと言われています。石破総裁、麻生氏の関係は、最悪に達している可能性がありますね」と指摘した。

 しかし、野田氏は投開票日に出演したテレビ番組で「大連立はありえない」と完全否定。日本維新の会の吉村洋文代表、国民民主党の玉木雄一郎代表も石破政権との連立を否定した。

 党内では今後、マスコミ各社が行う世論調査で内閣支持率が一桁台になった場合、〝秋の政局〟が加速する警戒感を強めている。「臨時国会で立憲が内閣不信任案を出した時ですよ。これに維新や国民民主党、参政党など保守系の政党が賛成するか注目されます。仮に不信任案が成立すれば総辞職か、解散総選挙となります」(別の政界関係者)

 続投宣言するもまだまだ予断を許さない。