奇跡まであと一歩だった。ボクシングの6階級制覇王者マニー・パッキャオ(46=フィリピン)が19日(日本時間20日)、米国ラスベガスで約4年ぶりの復帰戦を行い、WBC世界ウエルター級王者マリオ・バリオス(30=米国)と0―1の判定で引き分けた。バーナード・ポプキンス(米国)の49歳3か月に次ぐ史上2位となる46歳7か月での世界王座奪取はならなかった。
パッキャオは21年8月にヨルデニス・ウガス(キューバ)に敗れた後に引退し、22年5月にフィリピン大統領選に出馬して落選。24年7月には日本の総合格闘技イベントRIZINで総合格闘家の安保瑠輝也とボクシングルールで判定なしのエキシビションマッチを行い、低調なパフォーマンスで引き分けた。
階級の壁を越えた驚異的な活躍で2025年の国際ボクシング殿堂入りを果たしたレジェンドであるが、46歳という高齢に加え、復帰戦でいきなり世界王者に挑むことには懐疑的な声も多く、海外大手ブックメーカーのオッズもバリオスの勝利が1・44倍に対し、パッキャオの勝利は2・87倍となっていた。
観衆の大声援を受けながらリングに立ったパッキャオ。試合開始のゴングが鳴ると、全盛期のようなスピードはないものの、得意の鋭い踏み込みからのワンツーなど積極的に手数を出していく上々の立ち上がりを見せた。その後はガードを固めるバリオスを崩し切れず、被弾も増えたが、バリオスも手数が少なく、ともに決定的なパンチを放てないまま回は進んでいった。
しかし、パッキャオは年齢とブランクによるスタミナの衰えを感じさせないファイトをフルラウンド継続。引き分けの判定が告げられると、場内は大きくどよめいた。
惜しくも世界返り咲きを逃しものの、予想を上回るような戦いを見せたパッキャオはリング上でのインタビューで「勝ったと思った。接戦だった。バリオスは素晴らしいファイター」とすがすがしい表情。スタミナが継続したことには「ハードワークをして、練習もすべてやって、体も絞ったからだ」と説明した。
さらに「4年前より今日の方が経験値が高かった。いい試合ができた」と満足顔。現役続行の意思を問われると「はい、もちろん。レガシーを残すためにもう一度勝ちます」と明言した。
一方のバリオスも「勝ったと思った。マニーは素晴らしかった。あれほど経験値が高い選手と戦えてよかった」と満足顔。「またやりたいです」と再戦を希望した。レジェンドの奇跡のストーリーはまだ終わらない。













