〝長谷部ジャパン〟実現へ最大の障壁はオイルマネーか――。元日本代表MF長谷部誠氏(41)が11日、大阪・関西万博のドイツパビリオンでトークイベントを行った。代表で主将を長年務めたレジェンドの人気ぶりは健在。現在は指導者として研さんを積んでおり、今後の進路に関心が集まっている。待望論が根強い、将来的な日本代表監督への就任は既定路線とも言えるが、争奪戦には中東勢も参戦モード。札束が吹き荒れそうな気配だ。

 長谷部氏は昨季限りで引退した後、古巣のEフランクフルトでU―21チームのコーチを務めている。3クラブでプレーするなどドイツとの縁は深いが、この日のイベントでは最初の欧州挑戦時には「イタリアからオファーがあって、最初はそっちに行こうと思っていました」と明かした。

 来場者からの質問コーナーでは、J1浦和ファンからの質問に答える中で「大きくなって浦和に帰ってきたいことも言ってはいたんですけど、40歳までやってドイツで終わってしまった。これから先、どういう形か分からないけど、何か浦和にお世話になれたら」と古巣への思いを語った。また、別のファンからは日本代表監督就任をお願いされて、思わず苦笑いする一幕もあった。

 イベント後には報道陣の取材に応じ、現在EフランクフルトU―21チームのほか、日本代表でもコーチを務める〝二刀流〟についても言及。「指導者1年目で、2つのチームを指導できる素晴らしい環境を考えたら、寝る間も惜しんでやるのが当たり前だと思う。恵まれている環境の中で大変だと思うことはないし、やりがいしかない」と言い切った。

 今後に向けては監督業への意欲を示す。「コーチと監督は違う。コーチの立場で監督ほど責任を感じる場面がない。監督というのは試合の勝敗に全責任を負う。そういうところに立っていない。そこに立たないと始まらない。自分が一番責任を感じられるところでやらないと、指導者として成長しない」。監督としてのキャリアアップも注目されることになる。

 以前に森保監督は本紙に、長谷部氏の将来的な日本代表監督就任について「〝長谷部監督〟、早くなってくれればなと。もし今できるんだったら今すぐ代わります」と熱望している。

 指揮官を始め日本サッカー界が待望する〝長谷部ジャパン〟。だが、将来の名将は引く手あまただ。欧州事情に詳しいある代理人は「サウジアラビアなど中東のチームは日本代表の強さを見て、日本人の指導者に目を向けている。長谷部は欧州でも注目されるほどの逸材だから、今後すごいオファーが届いてもおかしくない」と指摘する。

 サウジアラビアではムハンマド・ビン・サルマン皇太子がスポーツに熱心で巨額を投じており、同国代表を率いたロベルト・マンチーニ前監督の年俸は2500万ユーロ(約41億円)。他の中東勢も無尽蔵の資金力があり、長谷部氏の争奪戦に発展すれば日本も安泰ではない。

 長谷部氏の今後は世界から注目の的になりそうだ。