栄光の背番号に込められた思いとは――。日本代表は5日、北中米W杯アジア最終予選オーストラリア戦(パース)に0―1で敗れ、今回の最終予選で初黒星を喫した。すでにW杯出場を決めていたため、スタメンはフレッシュな顔ぶれとなる中で、MF久保建英(24=レアル・ソシエダード)がA代表で初めて10番を背負った。元日本代表FW武田修宏氏(58=本紙評論家)は、盟友である森保一監督(56)が至宝に大役を担わせた〝意図〟を代弁した。
3月に8大会連続8度目のW杯出場を決めていた森保監督は、今月の活動で新戦力を大量招集。この日は、昨年1~2月のアジアカップ以来の代表復帰となったMF佐野海舟(マインツ)をはじめ、A代表初選出のMF平河悠(ブリストル・シティー)とMF俵積田晃太(FC東京)がスタメンに名を連ねた。
佐野はマインツでの活躍を踏まえると物足りなさを残す一方で、平河や俵積田は持ち味を発揮。とはいえ、いずれも大きなアピールには至らなかった。大幅入れ替えで起用した新戦力たちが不発に終わり、森保監督は「経験値の浅い選手は、練習からギラギラ感を持って、試合に勝つために最高の準備をしてくれたので結果が伴わずに残念」と厳しい表情だった。
久保は、ボールを保持するも決定機をなかなかつくれない展開の後半19分から投入される。すると10番を背負って攻撃を活性化させ、新戦力組とは力の違いを見せつけた。後半35分には、相手のクリアボールを拾って右足で強烈なシュートを放ったが、わずかにゴール右へとそれ、悔しさをあらわにする場面も見られた。
そんな久保の〝10番デビュー〟について武田氏は「よかったと思う。ボールを受けて、起点やタメをつくれたし、仕掛けでも見せ場をつくった。決められなかったけど、相手が来ても落ち着いてシュートを打てていた。プレーぶりからも、自信を感じさせた。やっぱり久保は〝違うな〟という存在感はあった」と高評価を与えた。
エースに与えられる重責あるナンバーを背負ったことには「今まで自由にやってきた部分もあるだろうけど、10番というポジションを与えられたということは『チームのことをより考えてほしい』という森保監督のメッセージだと思うけどね」。今回はMF堂安律(フライブルク)が招集されていないため暫定措置とみられるが、指揮官がリーダーシップなど久保により多くのことを求めていることがうかがえる。
すでにW杯出場を決めているが、最終予選で最終戦となるインドネシア戦(10日、パナスタ)はホームで格下相手ということもあり、負けは許されない。久保は新リーダー候補としてチームを引っ張り、勝利に導くことができるか。












