【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。歌手の橋幸夫さん(82)がアルツハイマー型認知症と診断されたことを所属事務所が発表しました。また、2日の報道によると、自宅から救急搬送され、病院で一過性脳虚血発作と診断、入院しているとも伝えられました。大事には至っておらず、1週間ほど様子を見るとのことです。ゆっくり療養していただいて、また歌声を僕たちに届けてほしいと願っています。
アルツハイマー型認知症の男性と、そんな父を支える家族の姿を描いた映画「父と僕の終わらない歌」が先月23日に公開されました。今回はこの作品を紹介したいと思います。
本作は、2016年に英国で80歳にしてCDデビューを果たした男性の奇跡の実話がモデル。映画では、日本の横須賀に舞台を移し、すべてを忘れていく父と家族の絆、そして父が愛する音楽の力を感動的に描きます。
認知症の父親役は寺尾聰さん(78)が演じているんですが、この映画は実際に俳優・歌手である寺尾さんの存在が本当に生きています。ギター片手に歌うんですけども当然ながらめちゃくちゃうまいんですよ。そこにまず圧倒されます。しかし、素晴らしい歌を届けながらも、なぜ自分がステージにいるのかさえどんどんと分からなくなってくる。そんな父に対する家族の対応を見ると涙せずにはいられません。
実は今、世界で中高年に向けた映画の台本というものが増えているんです。特に今作のような認知症がテーマのものです。日本にも同じ流れが来ていることに加え、高齢化社会ですから、これからこのような映画が量産されていくんだなと感じました。
僕は自分の親がまさに寺尾さんが作中で演じる父親役と同世代。また、実際に母親が認知症ということもあるので、より感じるものがありました。人生100年時代と言いますが、体が健康でもなかなか脳がそれについていけなくなることもある。将来的に親族だけではなく自分自身が認知症になる可能性もあります。本作はそこに向き合うひとつの良いきっかけになると感じました。このような映画を見ることで、心積もりができる。いつか来るであろう親の老化、後期高齢者との向き合い方といいますか。そこにエンタメ色を交ぜて、作品として楽しませつつ私たちに教えてくれる、今大注目の一作だと感じました。ぜひ劇場でご覧ください。
☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のアリコンch」で紹介している。












