【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。映画「かくかくしかじか」の舞台あいさつが16日、マスコミ非公開で行われ話題となりましたね。主演の永野芽郁さんの週刊誌報道を受けての対応とのことです。報道を受けていろいろな意味で話題となった本作ですが、本当に良い作品となっているので、ぜひ劇場で見てほしいです。

 そんな気持ちを込めて今週は「かくかくしかじか」を紹介します。映画はマンガ家の東村アキコ先生が自身の体験談をもとに執筆した同名マンガが原作です。永野さん演じるマンガ家を夢見る高校生・林明子と、大泉洋さん演じる最恐の絵画教師・日高健三による闘いの記録が描かれます。

 今作のポイントは教師と生徒の師弟関係です。我々大人になると、何かに向けて奮闘して愚直に遠回りすることってやっぱり減ってしまうんですよね。楽に稼ごうとしたりとか、サボってこなしたりとかするようになってしまうと思うんですよ。そして、40代になるとそれを叱ってくれる人もいなくなってしまう。叱られないということはいいようにも見えますけど、誰にも自分のマイナス点を指摘されないようになると、それこそが逆に自分の成長の妨げになってしまうと思うんです。明子と健三の関係を見ると、人に教わるということの大切さを改めて感じます。

 また、芸術でご飯を食べていくことがいかに難しいのか、ということもポイントの一つですね。この映画がすごいのは、芸術家が食えないということを堂々と言っていること。しかもそれを、マンガ家として成功している東村アキコ先生がそのマンガの中で描いてるってところが肝なのです。何か夢をかなえたい若者たちに現実の厳しさを伝えると同時に、頑張る希望、光を与えている映画になっていると感じました。

 よく出演者のスキャンダルなどがある時に「作品に罪はない」などと言われたりします。今作も、やっぱりすごくいい作品なんですよ。東村アキコ先生が心血を注いで描いた物語なんです。それが週刊誌報道ばかりでフィーチャーされてしまうのは本当にもったいないなと思います。東村先生だけでなく、作品には多くのスタッフ・キャストが関わっています。そんな方々の思いが一人でも多くの人に届けばいいなと願います。

 ☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のアリコンch」で紹介している。