細川護熙元首相が29日、都内の日本記者クラブで講演し、令和のコメ騒動に言及した。
政界引退後は陶芸やふすま絵などの制作活動に没頭している細川氏は「この30年くらい、政治は縁を切って、もっぱら焼き物や絵を描いたりばかりしているので、よく分からない」と政治情勢はさっぱりと話しながらもコメ価格の高騰問題に自ら触れた。
首相時代の1993年にウルグアイ・ラウンドでコメ市場の部分開放を決めた過去があるだけに「米価高騰の問題は現状分析が間違っている。農水省の転換政策の失敗説が幅をきかせているが、それは違う。ウクライナ戦争の影響で肥料や農薬が高騰し、農機具の更新もあって、生産コストが上昇して、生産が減って、不足が生じているのではないか」と指摘した。
そのうえで「全農が9割落札するなどの農業界に顔を向けて、米価が下がらないようにという配慮が優先して、消費者、国民への視線が全くない。そう見られても仕方がない。そういう備蓄米放出の仕方に問題があったということ」とJA全農にも苦言を呈した。
解決策で私案を披露した。「(政府の)買い戻しをやめて、1社あたりの上限を決めて、全農以外が入札できる。もう一つはウルグアイ・ラウンド米(海外からの輸入米)の活用。(年)77万トンのうち、10万トンが食用、多くは飼料用だが、これを主食用に回したら直ちにコメ不足は解消する。飼料用はアメリカからトウモロコシを輸入すればいい」と提言した。
小泉進次郎農水相が誕生で、備蓄米を随意契約による売り渡しに出たことには細川氏も驚いたという。
「小売り店頭価格が下がることになると思うが、随意契約には問題があって、政府が市場介入したことで、副作用や後遺症が出るではないか。安い価格で放出したことで、新米価格を引き下げる効果は出るし、農家所得にも影響が出る。農家の所得補償制度の導入がいろいろいわれるようになるかもしれない。所得補償制度はコメ産業の競争力強化という政策目標にも矛盾する。食糧安全保障の基盤強化を目指す農政の長期的な方向性とも矛盾する。そこをどう考えるか」
小泉手法は劇薬で短期的な効果はあっても長期的な農政の行方には、懸念を示した。












