「日本酒はアルコール度数が高いから、ちょっと…」

 この仕事をしていると、そんな声を良く耳にする。これは実にもったいない。なぜなら、醸造技術が発達した今は、まさに日本酒黄金期だからだ。とは言え、飲みつけていない人にとって、15度前後の日本酒はハードルが高いもの。そんな時に、ぜひ試して欲しい飲み方がある。それが「酒ハイ」だ。

 酒ハイは日本酒と炭酸を1対1で割ったもので、まさに日本酒版のハイボールといったところ。往年の日本酒ラバーからすれば「邪道」と思うかもしれないが、一口飲めば考えが変わる。炭酸が加わることで、喉ごしが格段に爽快になり、さらには日本酒の風味も引き立つからだ。また、自分好みで日本酒の割合を加減すれば、アルコール度数が調整できるのもいい。実際に筆者も飲んでみた。炭酸が弾ける度に日本酒の香りが広がり、後口もスッキリ。これからの暑い季節にぴったりの一杯だ。

 酒ハイをさらにおいしく飲むためには、日本酒も炭酸もきんきんに冷やしておくこと。先に日本酒をグラスに注いだ後、炭酸が抜けないよう静かに注ぎ、軽く混ぜるだけ。好みで氷を入れてもいいが、通な飲み方は氷なしで。酒ハイに使う日本酒に決まりはない。米の旨味をより感じたいなら純米酒、スッキリ味わいたいなら吟醸酒がおすすめだ。

 酒ハイに良く合うつまみは、串揚げやスパイシーなスペアリブ。脂が乗り切ったうなぎもまたいい。炭酸が脂を流し、おいしさだけを口に残してくれる。あぁ、こう書いているだけで喉が鳴る。酒ハイは、とにもかくにも箸・グラスともに進み過ぎて困ってしまう。しかし、ありがたいことに酒ハイは通常の日本酒に比べ、酔い覚めがとてもいい。お年頃の酒飲みにとっても、日本酒ビギナーにとってもいいこと尽くしの酒ハイ。この夏の一杯は酒ハイで決まりだ。