【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#610】1996年11月、当時ビル・クリントンが米大統領に再選して間もない頃のこと、インディアナ州のアンダーソンにある、自動車部品メーカー会社・GMCデルファイインテリア&ライトニング社の第9工場で、なんとも奇妙な生物が発見された。
この日、工場内を清掃していたとある従業員が、剥離剤や不凍液といった有害な薬品の廃液をためるタンクの中を清掃しようとタンクの中をのぞき込むと、ドロドロとした液の中で泳いでいる謎の生物を発見した。
それは、体長15~20センチで、複数の触手を持ち、体色は透き通った灰色がかった赤色で、見た目はミミズともイカとも言えない奇妙なものだったという。
しかも、驚くべきことにその生物は1匹だけではなく複数いたというのだ。珍しい生き物だと思ったその従業員は、1匹だけ捕まえて瓶に詰め、そのまま工場内で保管していた。だが、いつの間にか瓶ごとなくなってしまった。
誰かがゴミとして処分してしまったのか、それとも何者かによって盗まれたのか。原因は結局不明のままとなり、その後、タンクの中から同じような生物が発見されることは二度となかったという。
海外では、廃液タンクの中にいたイカのような生物ということから「オイルピット・スクイッド」などと呼ばれ、日本では「イカモドキ」と紹介されることもある。
また経緯は不明だが、紹介されているウェブサイトや書籍によっては体長が1・8~2・4メートルなどとかなり大きい数値で説明されるケースもある。
自然の中の劣悪な環境、あるいは過酷な環境でも生息している動物というのは、実際に存在する。このオイルピット・スクイッドが汚染の影響で誕生した怪生物であるとすれば、それもあり得るのではないかと思えてしまう。
だが、廃液タンクの中というあまりにも汚染された場所では、バクテリアであればまだしも、イカのようなサイズほどもある生物が果たして適応し、生息できるものなのだろうかという疑問は残る。
もしくは、誰かが何らかの生物をタンクの中へ意図的に入れたという可能性もなくはないが、それでさえ「何のために?」という新たな疑問が浮かぶ。
一方で、この会社は以前から産業廃棄物の不法投棄を行っているのではないかと疑われていたとのウワサもあり、そのことが何かしら関係しているのではないかとも言われている。
結局のところ、オイルピット・スクイッドはその実在の証拠も失われてしまっている。少なくとも、この出来事は当時の地元紙ヘラルド・ブレティンにも掲載されたものであり、従業員の証言が確かであれば、そこに何かが存在していたことは間違いないだろう。












