格闘技イベント「ONE 172」(23日、さいたまスーパーアリーナ)で、〝バカサバイバー〟こと青木真也(41)がエドゥアルド・フォラヤン(41=フィリピン)に1R53秒腕十字固めで完勝した。

 今回も稲門の先輩ケンドー・カシンをセコンドにつけて試合に臨んだ青木は、いつもと同じテーマ曲であるウルフルズの「バカサバイバー」に乗って入場。後から入場してきたフォラヤンと笑顔でハグを交わしてから試合に臨んだ。

 ゴングが鳴らされるやタックルから組み付いた青木は、テークダウンを狙いつつ相手の腰を両足で挟みながら飛び付きクローズドガードでつかまえる。さらに左腕をかんぬきの形で固定してからフットチョークの形を作りさらに腕十字をガッチリ決めてギブアップを奪った。

 試合後、すぐにグローブを外した青木は「僕のONEのここ10年は本当にフォラヤンがいたから頑張ってこれて…」と声をしゃがれさせながら涙をぬぐう。グローブを外した意味を問われると「関係各所にお断りを入れてから、ちゃんと正式に発表をしたいと思います」と涙を光らせた。

客席のヤジに反応する青木真也(右)
客席のヤジに反応する青木真也(右)

 さらに「チャトリにも感謝しています。DREAMがなくなってから拾ってくれて、感謝しています。ちゃんと青木真也のしまう場所を…」と話していたところでヤジを飛ばす観客に「うるせえなこのヤロー! 上がってこいコノヤロー!!」とアントニオ猪木のごとくブチギレ。会場が静まり返ると「青木真也の花道を作ってください。お願いします」と笑顔で話した。

 その後、インタビュースペースでは今後について「マネジャーの田中宏治(皇治)に聞いてください。僕の権利は田中宏治が持っているんで」と話すなど青木節を続けた。だが、その表情をかえたのが、試合を終えての感想を求められた時だ。「ホッとしています。プロレスとか格闘技って〝事故〟が起こるものだから。僕が試合した選手の事故が起こっているから。〝楽しいからやる〟っていうようなもんじゃない気がしています」と前を見つめる。

 青木のいう〝事故〟はDDT20日の東京・後楽園大会で高梨将弘がクリス・ブルックスとの試合で首を負傷した件だ。医療機関で検査を受けた結果「頚椎C5、6椎体骨折」および「頚髄損傷」と診断されて21日に手術を受けた。

 青木は「高梨将弘とクリス・ブルックスにささげますよ。怖いなって思いました。つらいですね」とつぶやく。そして「自分が事故にあうことも考えるんですけど、それ以上に相手を壊した時に、僕は相手の人生を背負っていく覚悟とか気概があるのかと思ったんです」と改めて考えたと告白。さらに「相手に背負わせることも背負うこともあるし。やっぱりコンディションを整えて、常に志高くいないといけないと思ったっすよね」と話していた。