【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#609】UMAというと、哺乳類、爬虫類、鳥類といった通常はなんらかの動物の姿でイメージされることが多い。
だが、そうした動物が人間のように二足移動をするというものや、人間の体で頭だけが動物といったものなど、人間的な要素が含まれるタイプも決して珍しくはない。また、他の動物や人間とも違うもののまるで人間のような姿をしている、いわば〝怪人〟にカテゴライズされるUMAも近年では目立つようになった。
今から紹介するのは、そうした怪人系UMAの新たな出没事件と言えるものかもしれない。
アルゼンチンのブエノスアイレス州にあるサラディージョという小さな町。夜道に出歩いても心配ないと言われるほど穏やかであったこの町で、最近になり住民たちを恐怖に陥れる奇怪な存在が目撃されるようになった。
「デーモニック・ボーイ」と呼ばれているその存在は、一見すると人間の子供のようにも見える。しかし、移動は四つん這いで、時に人間離れした俊敏さを持っており、壁をよじ登ったり木から木へと飛び移ったりしていたという。
現地の女性の証言によると、彼女がサン・マルティン通りを車で走行中、歩道に7歳から8歳程度の子供とおぼしき姿に気付いたが、直後にそれは四つん這いで走りながら向かってきた。しかも、少し離れた場所では3人の人物たちが叫びながら走り去る姿も見られた。
また別の時、「塀の上に奇妙な姿勢をした子供がいる」との通報が警察に舞い込んできた。警官たちが目撃された塀の家の主のもとを訪れ、「この家の子供か?」と質問したところ、家主も信じられないといった様子で否定したという。
複数の目撃報告によって地元消防隊も出動する事態へと発展し、ある消防士も「何かがいる」とやや意味深な回答をしたことで、ますます人々は恐怖におののいた。さらに不気味なことに、ギレルモという男性によると、その存在は四つん這いではなく逆さまで、頭が上向きだったという目撃証言も語られた。
現在も未解決のままとなっているこの奇怪な存在が果たして何だったのか。現地では「憑依された子供」説など、いくつかの説が唱えられた。中でも「ロビゾン」が出現したのではないかという説も興味深い。
ロビゾンはアルゼンチンなど南米に伝わる狼男であり、現在でもその姿を捉えたとおぼしき写真や動画がいくつもある。今回のデーモニック・ボーイも、ロビゾンの目撃例の一つだったのではないかというのがこの説だ。
しかし、やはり気になるのは先の男性の言う、顔が上向きで逆さまになった状態という証言だ。そのとおりに受け取れば、あの映画「エクソシスト」のワンシーンにあったようなブリッジしたまま異様なスピードで移動するというゾッとする存在ということになる。
平穏だった町は一転して恐怖に染まり、事件は今も未解決のままだ。現在のところ危害を加えられたという情報はないようだが、一刻も早い解決を願いたい。












