サムライブルーの問題点は? 2026年北中米W杯アジア最終予選バーレーン戦(20日、埼玉)に勝てば8大会連続の本大会出場が決まる森保ジャパンを、元日本代表MF三浦淳寛氏(50)が徹底分析した。全2回の前編では、かつてJリーグを席巻した〝無回転FK〟の先駆者の立場から、日本の最重要課題と指摘されるFK事情に切り込んだ。(インタビュー・三浦憲太郎)
【元日本代表MF三浦淳寛氏インタビュー(1)】
――W杯出場が決まる森保ジャパンについて
三浦氏(以下三浦) 順当ですよ。今の日本代表メンバーは力があるから。どんなメンバーで戦っても、しっかりと勝ち切れるだけの実力者がいます。欧州組ばかりとの意見もあるようですが、海外、国内と分ける必要もないですし、違和感はないです。森保(一)監督が現時点で実力のある選手を選んでいるのでいいんじゃないですか。
――森保ジャパンが歴代の日本代表で最強チームとの意見もある
三浦 時代の変化もあるし、海外の強いチームも関係してくるので何とも言えない。だけど、間違いなく各ポジションに面白いタイプの選手がいるので、点は取れそうな感じはありますね。
――比較はできないが、攻撃力のあるチームということか
三浦 特に2列目は変化をつけられる選手がいますから。三笘(薫=ブライトン)のドリブル、久保(建英=レアル・ソシエダード)のゲームメークとチャンスメーク。堂安(律=フライブルク)の決める力、南野(拓実=モナコ)の飛び出しやゴール前に走り込むとことか。2列目はバランスがいいと思いますね。
――たしかに多彩な選手がそろう
三浦(攻撃を)仕掛ける選手、つくる選手がいて、ボランチにはゲームをコントロールし、チャンスに飛び出していく選手がいる。中盤は今の日本代表の強みだと思うので、いかに気持ちよくプレーさせるかが重要になるのではないか。もうW杯出場は確実? 本大会で「ベスト8を目指そう」では、そこで頭打ちになる。森保監督も「優勝を目指す」と言っているし、上を目指して成績を残せると思う。
――ところで日本代表はセットプレーからの得点が少ない。FKのスペシャリストはどうみているか?
三浦 キックの質が高い選手はたくさんいるので、普通に蹴れば入ると思うんですよね。堂安とか久保とかも良いキッカーですし、キッカケがあれば。2人とも(中村)俊輔やヤット(遠藤保仁)、本田(圭佑)に劣らないでしょう。それに右利きのキッカーと左利きのキッカーでゴールを狙える選手がいると、決定率は上がりますね。
――どういうことか
三浦 横浜M時代、右で蹴る僕と左足の俊輔がFKの場面で並ぶと、GKはポジション取りに迷うし、壁のつくり方も変わる。2人でゴールを狙うと、壁がジャンプするタイミングもバラバラになったりするので(ゴールが決まる)確率は上がってくる。そういうのが理想ではないかな。
――Jリーグを席巻した無回転FKの名手として知られるが、蹴る選手は減っている
三浦 うーん、今の日本代表には、無回転を蹴れる選手は少ないのかもしれませんね。あの球を蹴るには、パワー、ボールに変化をかける力が必要になります。大事なのはキックの質と蹴る時にボールにインパクトを与えること。どうやってパワーを伝えるか。今の日本代表メンバーで蹴れそうなのは堂安かな。
――無回転を蹴れそうなのはMF伊東純也(スタッド・ランス)とか南野かなと推察していた
三浦 どうしてかと言うと、彼のキックの質とボールの蹴り方ですね。無回転の蹴り方は難しいのですが、堂安は技術的にも蹴れるだろうし、向いているタイプだと思います。練習すれば、蹴れるようになる。
――かつてはMF原口元気(浦和)にFKを個人指導した。もう教えることはないのか
三浦 うーん。技術的なことを言えるけど…。大黒(将司)がストライカーコーチ(G大阪の下部組織)をやってましたけど、選手時代からGKコーチ、フィジカルコーチがいるのに、セットプレーとかFKコーチがいないのかなって思っていました。専門職のコーチがいてもいいと…。そういう指導者が出てきたのはいい流れです。
☆みうら・あつひろ 1974年7月24日生まれ。大分県出身。国見高(長崎)から青山学院大に進学するも中退し、横浜F(現横浜M)入団。東京Vや神戸、横浜FCなどでもプレーした。99年に日本代表初選出。国際Aマッチ25試合1得点を記録した。2000年シドニー五輪にはオーバーエージ枠(24歳以上)で出場。11年に現役を引退。18年にJ1神戸のスポーツダイレクターに就任し、20年1月にはクラブに初タイトル(天皇杯)をもたらした。同年9月からは監督としてチームを率いた。選手時代の登録名は「淳宏」。175センチ、73キロ。











