兵庫県の斎藤元彦知事への疑惑告発文書問題で、百条委員会は4日、パワハラ疑惑に対し、「一定の事実が確認された」との最終報告書を発表した。不信任決議から県知事選での暗闘、告発、暴露合戦に発展し、兵庫県政は今後も先が読めない展開だ。

 一連の騒動は、昨年3月に元県民局長が報道機関や県議に配布した文書が発端。斎藤氏が告発者を特定し、処分した是非が問われ、昨年6月に百条委が立ち上がった。しかし、委員会で審議中の同9月に世論が過熱し、斎藤氏の不信任決議が可決された。出直し選挙を選択した斎藤氏の再選は絶望視されたが、NHK党の立花孝志党首が「斎藤氏が悪い人と刷り込まれている。真実を知ってください」と立候補。風向きが変わって、斎藤氏は稲村和美氏との接戦を制しての再選を果たしていた。

 一方、知事選では斎藤氏がPR会社に報酬を支払った公選法違反の疑いで刑事告発されれば、稲村氏を支持表明した22市長有志も公選法違反で刑事告発された。百条委の関係では奥谷謙一委員長が立花氏を名誉毀損で刑事告発。県知事選中に「斎藤知事の印象操作をした黒幕・主犯格」と名指しされた竹内英明県議は知事選翌日にネット上での誹謗中傷を理由に議員辞職し、今年1月に急死した。

 先月には「黒幕文書」を立花氏に渡したのが百条委副委員長で、維新の岸口実県議だったことが判明。片山安孝元副知事が証言した秘密会だった昨年10月の百条委の音声テープを維新の増山誠県議が立花氏に提供していたことも分かって、2人は百条委の委員を辞任し、維新からも追われる身となった。

 百条委はこの日の調査結果で、斎藤氏の職員への叱責は「パワハラと言っても過言ではない不適切なものだった」と認定した。当初、反対意見を添える予定だった維新が、岸口氏らの件が発覚し、折れた格好だ。この結果に納得がいかない増山氏は5日の本会議採決では反対討論を行う意向を示した。

「今月には県が設置した第三者委員会の結果も報告され、百条委の見解と食い違う可能性もある。在阪メディアでも一連の責任の所在は岸口氏らにあると斎藤氏叩きから態度を変え始めているところもある」(地元関係者)

 世論や斎藤氏の対応次第で議会側は再度の不信任決議を提出する可能性もあり、県政の混乱が収束する気配はない。