【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#598】アフリカのコンゴ共和国のUMAといえば、小型の恐竜のようなUMAである「モケーレ・ムベンベ」が有名だ。しかし、コンゴにはそれ以外にも巨大な謎の生物が目撃されたことがある。
そのUMAの名前は「エメラ・ントゥカ」と呼ばれており、コンゴのリクアラ地帯に生息すると言われている半水生UMAだ。見た目はゾウに似ており、ワニのような尻尾を持っている。食性は草食で、最大の特徴は鼻先から生えた一本のツノとおぼしき突起であり、現生動物のサイを彷彿とさせる。
しかし、エメラ・ントゥカはサイよりも凶暴であるとされ、さらにそのツノは、折れやすいと言われるサイのツノに比べてはるかに堅く、ゾウを刺し殺した現場を目撃したという話もあるという。名前のエメラ・ントゥカは、現地の言葉で「ゾウを刺し殺す者」という意味があるのだそうだ。
1919年、C・G・ジェームズというザンビア在住の人物によって目撃されたのが最初だと言われている。この目撃情報は、「ツノのあるゾウ」として英デーリー・メール紙に掲載されたものの、それ以外の目撃や遭遇の情報はなされなかった。
その後、1930年代に2度目の目撃情報があったと言われているが、現地の人間には確認されている一方で、欧米人がほぼ進出していない地でもあったことから、全くと言っていいほど注目されない生物のままになっていた。
興味深いのは、第2次世界大戦での話。英陸軍の特殊部隊SASのエドワード・パワー軍曹が、アフリカでのナチス殲滅作戦中に撃墜されてしまい、無線機もないままアフリカの地をコンパスだけを頼りに歩き続けていた。
ある時、草を食べている動物の親子を見つけた。サイだと思った彼がふと違和感を抱いてよく見てみると、そのサイは大きな外耳が付いており、首の周囲にフリルのような厚い皮膚を持っていた。サイではないと思った彼は、持っていたカメラでその謎の動物の親子を撮影したのだという。その音に、振り返ったその動物の顔は、やはりサイとは違っていたそうだ。
その後、パワー軍曹は味方の偵察機に発見されて無事救出されたが、現在は色あせた1枚の写真だけが残っている。
では、この生物は一体何だったのか。後世の研究によると、「モノクロニウス」である可能性が高いというのだ。モノクロニウスは、中生代後期に生息していた草食恐竜であり、中国、モンゴル、ロシアといった主にアジアを生息地としていたという。成長すると全長3~4メートル、体重は3トンにも及ぶとされ、その名が示す通り「一本角」が生えているのが特徴であることから一角竜と呼ばれることもある。
要するに、エメラ・ントゥカの正体は、1億年も前に生息していた恐竜だったのではないかということになる。しかし、モノクロニウスの分布とエメラ・ントゥカの目撃地が一致していないというのが気掛かりだ。
アフリカの奥地に太古の恐竜が生き残っているのではないかということも考えられるが、そうだとしても、アフリカ大陸から発見された角竜類が過去一例もないという点も引っ掛かる。たまたま迷い込んだサイを未知の生物と誤認したものであるのか、それとも全く別の存在であるのか。なんとも謎多きUMAだ。












