【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#594】2024年11月、アメリカ合衆国ウェストバージニア州で奇妙な生物の姿が撮影されたことが米メディアで配信され話題となった。

 ことの発端は10月24日、同州の都市ハンティントンに所在するリッター・パークで起こった。バラ園やテニスコートなどが設けられた景観の美しい公園として地元で親しまれているこの公園で、鹿の群れのそばを通りかかる奇妙な生物が目撃された。

 通勤途中に公園を通りかかったブリタニー・ケラーさんによると、その生物は全身が黒っぽい毛で覆われて、長く曲がった尻尾を持つ、「その場所で今まで一度も見たことが無い生き物だった」のだという。

 ケラーさんは、公園内を移動するその奇妙な生物の様子を動画に撮影しており、後にこの生物の正体が何であるのかを調べるため、テレビ局による地元住民たちへの聞き込みもなされた。しかし、住民たちは一様に困惑するのみであり、「これは一体なに?」と返答するだけだった。

 中には「ライオンの赤ちゃんみたいだ」と答える人もいたようだが、それでも結局正体はつかめずに終わってしまった。

 ケラーさんの撮影した動画はSNSにも投稿され、それによって多くのユーザーから反応が見られた。そんな中で、この謎の生物の正体は「キツネザル」ではないかとの意見がいくつか寄せられたのだ。

 ところが、ズーロジー・ゾーン・サイエンス・センターの創設者であるアンディ・マッキィ氏によると、キツネザルはウェストバージニアからおよそ9000マイルも離れたマダガスカル島とその近隣の小島のみに生息しており、迷子のペットでもない限り野生個体が徘徊することはあり得ないとの見解を示した。

 その一方でアンディ氏は、これが未知の生物ではないかという多くの意見に対して、一つの仮説を通じて一掃しようとも試みていた。それは、この謎の生物の正体が疥癬(かいせん)などの何らかの病気にかかったキツネ」ではないかというものだ。

 疥癬とは、ヒゼンダニが皮膚の角質に寄生することで生じる感染症であり、かゆみや赤い発疹、脱毛などを引き起こす。毛のある動物に疥癬は見られ、脱毛などによって通常の姿とは違う特異な外見をもたらすことがたびたびあるのだ。

 チュパカブラやロビソンなども、一説には疥癬などの皮膚病にかかったイヌもしくはイヌ科の生物ではないかとも言われており、UMAの正体として疥癬にかかった既存の生物と考える説はいくつもある。

 この生物の目撃はこれが唯一の例となっているようだが、果たしてその正体は本当に皮膚病のキツネであったのか、それとも新種の生物なのか、はたまたマダガスカルからテレポートしたキツネザル(テレポートアニマル)だったのか。謎は深まるばかりだ。