【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#592】1959年、兵庫県西宮市の甲子園阪神パークでヒョウとライオンを異種交配した「レオポン」が生まれ、最後の一頭が生存していた1985年まで同園で飼育されていた。

 交雑というと、父親がトラで母親がライオンの「タイゴン」や、逆に父親がライオンで母親がトラである「ライガー」と呼ばれる交雑種も実在している。

 これらは全て、飼育下による人工的な交雑によって誕生した動物であり、自然界での交雑は生息域の分断などといった要因を含め、確認されていないのが現状だ。しかし、まるで2種の動物を掛け合わせたかのような奇妙な珍獣の目撃は、これまで幾度となく報告されている。

「マロジ」とは、20世紀初頭にケニアで目撃された謎のネコ科の動物だと言われている。その特徴は、ライオンのような見た目にも関わらず、まるでヒョウのような斑点を持っている点にあり、別名スポッテッド・ライオンとも呼ばれている。その大きさは、ヒョウよりも大柄でライオンよりも小柄、また雄ライオンのトレードマークにもなっているタテガミはマロジのオスに見られないという。

 マロジの最初の目撃とされる報告は1903年のこと。イギリスの軍人かつ鳥類学者でもあったリチャード・マイネルツハーゲンが、ケニアの山中で斑点のあるライオンのような奇妙な生物を目撃したことを主張した。ただし、彼は標本の文書改ざんなどの詐欺が多数指摘されており、この情報の信ぴょう性も疑わしいと言われている。

 1923年、ジョージ・ハミルトン・スノーボールが標高1万フィート(約3000メートル以上)の高地で複数のマロジを目撃したと証言。その後は、マロジを撃った、あるいはわなにかけたといった情報がいくつかもたらされた。

 そして1931年、農夫であったマイケル・トレントによってマロジが殺害され、なんと毛皮と頭骨が採取されたのだ。この毛皮はナイロビ狩猟局でも非常に珍しいものであると認められ、マロジの実在を示す重要な証拠として記録された。

 その後もマロジは、キナンゴップ高原やアバディア山地など、ケニアの各地の高所で目撃されたが、1930年代以降は報告がなされなくなった。

 マロジは、その姿からライオンとヒョウの自然交配によって生まれた雑種であるという意見が強く唱えられている。その他には、ライオンの子供には斑点があるということから、子ライオンの誤認ではないかというもの、もしくは成体になっても斑点が消えない突然変異個体だったのではないかとの見解もある。

 採取した毛皮や頭骨は検証されていないのかと思われるが、現在に至るまでDNAなどを利用した鑑定が行われた記録はないので不明なままとなっている。なお、こんにちでは、未確認動物学者ベルナール・ユーウェルマンスによって、「レオ・マキュラトゥス」という学名が新種生物との見解から提唱されている。

 毛皮や頭骨といういわゆる「物的証拠」があるにも関わらず、1930年代以降現在に至るまで発見されていないという何とももどかしい状態だ。

【参考記事】
https://pinebarrensinstitute.com/cryptids/2018/8/18/cryptid-profile-marozi