【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#591】西インド諸島の一部を構成するバハマ諸島の中で最大の面積を誇るアンドロス島は、石灰岩からなるサンゴの島として知られ、19世紀にイングランド出身の海賊であるヘンリー・モーガンが占領した歴史もあり、彼の財宝が隠されているとの伝説も残る島だ。
このアンドロス島には、「チックチャーニー」と呼ばれる生物の伝承が語られている。一言で表すと、それはフクロウ頭のヒューマノイド型UMAと言えるだろう。
体長は3フィート(約1メートル)で、その顔は前記の通りフクロウのようであり、赤い目を持つそのおぞましいその頭部は首を360度回転させることができるという。
フクロウのようだとはいえ、翼は持っておらず飛ぶことができない。そのため二足歩行で移動し、また翼の代わりとして腕を持っている。各手足には、3本の鋭いカギヅメを備えている。
言い伝えによると、ある人間がチックチャーニーのひな(?)を見つけ、それを優しく接しながら育てた結果、幸運をもたらしたという。しかしその一方で、その顔の醜さから、粗末に接したり嘲笑したりすると、たちまちその人間は不幸に見舞われてしまうともされている。
興味深いのは、このような伝承上の生物としてとらえられていながら、今日に至るまで目撃例が絶えないという点である。
チックチャーニーは、伝承やその目撃での特徴から考えて、フクロウを誤認したものではないかという可能性が考えられるだろう。そこで問題は、3フィートにも達するほどの巨大なフクロウが実在するのだろうかという点にある。実は、かつて1メートルを超える巨大なフクロウが地球上に存在していたことが分かっているのだ。
一つは、かつてキューバ島に生息していたオルニメガロニクスと呼ばれる絶滅種のフクロウだ。この鳥は、体長1・1メートルほどと過去に存在していた中で最大のフクロウと考えられており、チックチャーニーと同様に飛ぶことが苦手であったという。
そしてもう一つは、かつてバハマに生息していたタイト・ポランズと呼ばれる絶滅したメンフクロウだ。こちらも、およそ1メートルで飛べないフクロウであったと言われている。太平洋岸北西部研究所のブルース・G・マーコット氏によると、16世紀に島へやってきたスペインの入植者たちが森林を伐採するようになって絶滅に追いやられたのだという。
また、同氏はこのタイト・ポランズこそがチックチャーニーの伝承に影響を与えた可能性が高いとも主張している。事実、タイト・ポランズの化石はバハマ諸島のいくつかの島で発見されている。
だが、一方で16世紀までの生存説は根拠が薄いという指摘があり、さらにアンドロス島からはタイト・ポランズの化石がまだ発見されていないという問題もあるため、説としてはまだ疑わしい。
とはいえ、アンドロス島は広い森林地帯をはじめ、まだまだ自然豊かな場所が多く残されている。絶滅したとされる巨大フクロウが、現在もなお生き残って生息している可能性は捨てきれないのだ。












