中国広東省深圳にある日本人学校の近くで18日午前8時ごろ、学校に通う10歳の男児が刃物を持った男に刺された。地元警察は44歳の男を現場で拘束。男児は病院に搬送され、治療を受けたが、19日未明に死亡したことが明らかになった。日本政府関係者によると被害に遭ったのは日本国籍の小学生男児で、登校中だった。

 中国では、9月18日が特別な日であることが指摘されている。満州事変の発端となった柳条湖事件の93周年で、中国各地で記念行事が行われた。遼寧省瀋陽市は九一八歴史博物館の追悼広場で「九一八事件を忘れるな」式典を開催した。

 多くの中国メディアは「式典では、各界の代表が中華民族の14年間にわたる血みどろの困難な抵抗の旅を代表する『国家的屈辱を忘れるな』という警鐘を14回鳴らした。国家的屈辱を忘れず、中国を復興させるためだ」と伝えた。

 中国事情通は「9月18日は『国辱の日』で、中国内で反日感情が高まる傾向にあります。習近平指導部が柳条湖事件を抗日戦争の起点として、1945年までの14年にわたる長期の戦争だったとしているのです」と語る。

 柳条湖事件とは、関東軍(旧日本軍)が柳条湖で南満州鉄道(満鉄)の線路を爆破した事件。この爆破を中国軍による犯行として、中国東北部を軍事占領し「満州国」を建設した。

「国辱の日に起きた男児襲撃事件だったので、中国では、無差別通り魔なのか、日本語を話す人を狙った犯行なのかが話題になっています。中国内のSNSでも『愛国のふりをして犯罪を行う人が増えており、日中関係や中国の国際的イメージに悪影響を与える』と不安視されています。中国で反日行為は〝愛国無罪〟と言われ英雄視されることもありましたが、それが行き過ぎて、日本がらみの商売をする人や中国政府が頭を痛めています」(同)と語る。

 地元警察は男を取り調べて捜査を進めているが、動機はまだ分かっていないという。